いくつかの研磨した石185
高知県吾川郡いの町北山の鉄マン鉱石を一面研磨しました.もともと拳サイズより大きな石でした.それを標本成形したときに出た木っ端を一面研磨しました.
研磨面以外の面.上の方の繊維状はハウィ石.
(研磨)磁鉄鉱や赤鉄鉱などを主とするようなので,簡単に磨れると踏んで,すり始めました.やはり赤鉄鉱が主体のようで赤褐色の研磨汁が排水口に流れていきました.赤鉄鉱だけではなく磁鉄鉱も入っているようでした.比較的早く磨れたので,一部未研磨の部分が残ってしまいましたが,内部が観察できれば良しとしました.
仕上げははじめ青砥で磨っていたのですが光沢が出ず,中途半端に風化したホルンフェルスでしました.その上,研磨した層状チャートで少し研磨しました.
仕上げする砥石は素材によって使い分けしていて,鉛亜鉛を主とする鉱石は丹波Ⅱ帯の炉材珪石鉱床の赤白珪石を研磨したプレートで研磨すると,光沢が出てくれます.鉱石に石英が含まれていると,石英の部分だけが残ってしまい,金属鉱物が先に磨れてしまう.石英が含まれた鉛亜鉛などを含む鉱石は中途半端に風化したホルンフェルスでなんとか光沢が出てくれる傾向にあった.
硬い鉱物の集合の真ん中などに軟らかい鉱物が含まれているときは,軟らかい鉱物の部分にラッカーを吹いておいて,周りと平坦になるように,何度も様子見して平坦になったのを確認して仕上げするようにしている.
今回は全体が軟らかい鉱物の集合でしたので,一気に磨り上げました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
赤っぽい筋は赤鉄鉱のよう.磁鉄鉱も相当含まれているようです.
斜めに切っているのはハウィ石.
ハウィ石中に橙色の粒が入っていました.小さすぎて判別できませんでした.ガラス光沢を呈し劈開があるようです.
長石様鉱物のレンズがありました.
こちらは脈になっています.菱マンガン鉱を考えたのですが,希塩酸に発砲しないのと,劈開の感じが異なるようで,長石類の脈と考えました.
長石類?の脈に針状の結晶が入っていました.かなり小さいです.
脈中の微細鉱物の拡大です.
さらに拡大したものです.下の方の柱状の鉱物は電気石かもしれない.