いくつかの研磨した石180
京都府福知山市大江町仏性寺千丈原 河守鉱山の方鉛鉱-閃亜鉛鉱-磁硫鉄鉱-黄銅鉱質鉱石を一面研磨しました.15年くらい前に6号竪坑から通洞坑方面にあったインクライン付近でサンプリングした標本です.1917年から1971年まで銅鉱を稼業していた京都府下最大級の鉱山でした.現在は緑化されています.
京都府内では肉眼で確認できるような普通の方鉛鉱が少なく,少量でもサンプリングの対象としていました.手にもって重さが判る標本は同市市内にある梅谷鉱山と福知山鉱山の標本の2つしかありません.上の標本は重さが判る程度の量は入っていませんが,母岩があまり変質していない橄欖岩中に鉱染している硫化鉱の標本として残していました.
研磨面ではない標本の正面です.標本はとんでもなく座りが悪いため,座りをよくするため裏側を一面研磨しました.
(研磨)内部が橄欖石で外の部分が蛇紋石系の鉱物に変わっているのを予想して,削り始めました.予想通りの展開でした.表面の皮の部分は蛇紋石類鉱物に変質しているようで,楽に擦り切れてくれました.硫化鉱物が鉱染している部分に差し掛かると,急に硬くなりそれより先がなかなか進みませんでした.それでも硫化の部分が軟らかいので,前回のひすい輝石岩よりは簡単に荒砥は終わりました.
中砥は工業砥石で表面を平滑にしたうえで仕上げに移りました.
仕上げは青砥でしました.
(以下,顕微鏡下での拡大写真です)
白っぽく見える部分が磁硫鉄鉱です.
方鉛鉱.かなり拡大して劈開が見える部分を撮影しました.
黄銅鉱です.これより大きな粒は無く,これより細かい粒が広く鉱染していました.黒色部は閃亜鉛鉱です.
閃亜鉛鉱.鉄黒色金属光沢部.
磁硫鉄鉱の拡大写真です.
黄銅鉱と磁硫鉄鉱の鉱染部.
母岩の部分の拡大です.ガラス光沢が残っています.