今週のはじめ、紀州鉱山に連れてもらいました。伊勢道経由で尾鷲を越えていったのですが、まあ遠かった。牟婁層群の堆積岩中の熱水鉱床で、古くは金銀を産していたという、紀伊半島南部の大鉱床群だ。
山越えをして板屋につき、選鉱所跡を見に行きました。ズリは板屋にもあるのですが、どこの地区から産したものかが分からないので、山越えをして楊枝川へ向かいました。
板屋の選鉱所跡。
地形図で地形の変なところをマーキングし、楊枝川に下る市道の手前のカーブのところにズリがあるようなので、行ってみました。路肩のガードの支柱が軌道のレールを利用してありました。
それの向かいの山に入っていき、やや急な斜面を登るとズリでした。特に金属鉱物はなく、ズリをやや下がったところに粘土脈があり、ここの表面に塊状の黄鉄鉱を産するところを見つけました。
この場所は黄鉄鉱くらいしかなさそうなので見切りをつけ、立坑のズリに向かった。しばらくは立坑手前の広い台地で探していたのですが、地の仕事のかたから、本当のズリの場所を教えてもらい、そちらへ向かいました。
古い鉱石がいくつかありましたが、お目当ての黄銅鉱の結晶はなく、川原に降りてみました。
昨年秋の大水で荒れているらしく、石畳状の用水路の一部が崩れ、昔の鉱石が吐合手前にかたまっていました。このなかから7~8kgほどありそうな方解石脈を伴ったホタル石脈の塊を見つけた。
表面は泥がかぶっている所為か紫色に見え、川原では割りづらいので皆のいる場所まで持って行った。川からのサルベージは少々大変でしたが、ものがいい方なものだけに何とか持ってあがれた。
今思うとすぐに割ってしまわず、写真を撮ってから割ったらよかった。サルベージしてきて、写真を撮らずに割ってしまった。皆にいきわたるように割るのは難しく、変な形に割れてしまう。なんとか数個に割り、形の良いものだけサンプリングした。
時刻は昼をずいぶんとまわっていて帰るのに少々時間がかかることも考慮して、十津川方面から帰ることになった。
ホタル石。サルベージしたときの紫色は表面にゴミがついていたようで、軽く洗うと淡緑色であった。
黄銅鉱結晶。お目当てだったもの。上の台地に転がっている石英脈を挟んだ母岩を割っていると出てきた。大きなものは少なかった。
斧石。川原の転石。周りの灰緑色部はホタル石と透輝石という変な組み合わせ。空隙に結晶が見られる。
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