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安土山の蛇紋岩露頭

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露頭めぐり

 

 

 

 

安土山の蛇紋岩露頭

福井県大飯郡高浜町安土

 

 

 

 

  高浜城に行った後に安土山に行きました.大島半島の付け根辺りにある,展望台のある山で,山頂付近まで車道が通っているため寄ってみました.

安土山(標高80m)の山頂部分.

 

 

僅かに登ったところにある展望台.周囲は樹木で殆ど展望はありませんでした.展望台にも登りましたが僅かに西方に青葉山が見えていた程度でした.

 

 

 

展望台から青葉山(標高693m)

 

 

 

 

 

 展望台の脇から林道が東へ伸びていて,第二があるらしい.こちらも行くことにしました.

 

 安土山より東の尾根を約800m詰めたところにある展望台.こちらも樹木が茂り殆ど展望がありませんでした.途中の車道の方がいい場所がありました.

 

第二展望台より少し下った道の脇より.第二展望台のあるところが,戦時中に若狭ニッケル鉱山として露天掘りされていた場所のようで,手持ちの古い地図に記載された場所と大体合致しました.

 

 途中の尾根筋にも露天掘りしたような凹地は幾つかありましたが,下草に覆われていました.林道をカットしたところに蛇紋岩の露頭が幾つかありましたので,観察しました.

 

第二展望台より50mほど下ったところにある露頭.上部は風化して褐色の粘土になっていました.

 

 

 表土と思われる褐色の粘土と蛇紋岩の境界に黒色の煤状のものが多少ありました.水酸化鉄の塊かと思いましたが,素手で砕けるくらい軟らかく,二酸化マンガンの類のようです.褐色に分解した蛇紋岩中に風化に強いようで,脈状に残っている転石があって,気になってサンプリングしました.

切っている脈が何かよく判りませんでしたので,断面を研磨しました.褐色の部分が風化した蛇紋岩.下の方の灰色~暗緑色の部分が脈になっている岩石です.顕微鏡観察したところ,変質した異剥輝石を含む橄欖岩のようで,脈自体は分解しかかっていました.

 母岩の褐色の蛇紋岩中には磁鉄鉱が,脈には磁硫鉄鉱と磁鉄鉱の両方がありました.脈と母岩の間をうまく剥がすと,部分的に濃緑色の皮膜状の鉱物が付いていました.ニッケルの鉱物かもしれません.量が少なすぎて判定できませんでした.

 

別の露頭です.こちらは表土と蛇紋岩の境界がはっきりしていました.先ほどの露頭よりさらに60mくらい下ったところです.手前のヤブが酷くて,ここは手前から撮影だけにしました.

 

 

 

 安土山で今回の巡検は終わりになりました.

 

 

 

 


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