いくつかの研磨した石164
京都府綴喜郡宇治田原町南 宮前鉱山の菱マンガン鉱からなるサンプルを一面研磨しました.前回訪問したマンガン鉱山のサンプルを成形したときに出たチップを一面研磨にしました.一面では含有鉱物種が少ないためこの石は両面を研磨しました.しかし思った以上に含まれている鉱物が少なかったため,もう一つ似たようなチップを研磨しました.
(研磨)脈で石英を伴っていましたが,ほかは菱マンガン鉱からなっているので比較的軟らかいと思い一気に磨りあげました.仕上げは2つのサンプルともに青砥でしました.
(以下,顕微鏡写真です)
球顆場の菱マンガン鉱からなる部分の拡大です.帯黄真鍮色金属光沢の黄鉄鉱を含んでいました(写真中央よりやや下に見える粒).黒色部は二酸化マンガンの鉱物.
別アングルから.
球顆があまり発達していない菱マンガン鉱からなる部分の拡大です.黒色部は非晶質炭素物質か?細かすぎて判別できませんでした.
霞がかった部分の拡大です.白色部は珪岩で,それを黄色―灰黄色の鉱物の脈で切っていました.こちらも小さすぎて判別できませんでした.
裏の研磨面です.左上部にほかの鉱物からなる脈が切っていて,ここが特に気になったので拡大してみました.
脈の部分の拡大です.
表面がちょっと溶けたようになっていて方解石か菱鉄鉱のような炭酸塩鉱物のような気がします.細かい粒で黄鉄鉱を伴っていました.脈の正体は判りませんでした.
2つ目のサンプルの一面研磨面の写真です.パッと見た感じではアレガニー石を含んでいるようでした.
アズキ色部がおそらくアレガニー石.その周辺の乳白色―淡桃色部が菱マンガン鉱.黒色部は二酸化マンガンによる染み.白色部は珪岩でした.
アレガニー石?の部分の拡大です.内部に細かい黄鉄鉱を伴っています.乳白色―淡桃色部が菱マンガン鉱です.白色―灰白色部が珪岩.
この鉱床ではほかに細かい水晶・水マンガン鉱(表面がギラギラしていたのでパイロリュース鉱に変質しているのか)・褐鉄鉱などが見られました.