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八戸地炭鉱と寺屋敷のロジン岩露頭

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露頭めぐり

 

八戸地炭鉱と寺屋敷のロジン岩露頭

 

 台風が来る前に少し露頭探しに行きました.当初は彌仙山周辺の斑糲岩および結晶片岩を探す目的で岸谷の谷に入りました.斑糲岩や緑色岩が少量見られましたが,当地区の結晶片岩がどういう感じのものなのかがみていないので,判らず敗退しました.地質図等で予め分布しているところを地図に書き込んでいましたが,そのような岩石は見当たりませんでした.

 大江町河守近辺に結晶片岩がでそうなところをプロットしていましたので,そちらに向かいました.由良川の大川橋を越えたところあたりで,近くに八戸地炭鉱があるのを思い出して寄って見ることにしました.炭鉱は地質図に鉱山名はありませんが,廃坑マークがあって,八戸地から下漆原に抜ける小倉トンネルの南東付近の山にしてありました.今の地形図にプロットしなおして置いていました.

 今まで一回は探しに行きましたが,よくわからず敗退しました.今回は前回探索した一つ東の谷にしました.

 

入口から見たところ.

 

 奥に坑道の陥没したような跡があり,手前に舞鶴帯の黒色頁岩が散らばっていました.地形図に記載された場所から少し東に外れますがここが八戸地炭鉱のようです.明治30年頃に発見され,当地より北に300mほどの山林の中に大切を切っていた,昭和18年頃に休山したという話を仕入れていました.そちらの方は未探索です.

 坑口の前がマウンドになっていてここがボタ山のようです.雑木の横に光沢の強い頁岩様の岩石が散らばっていて,この中に破片になった無煙炭が少量見られました.

 

谷の奥にあった坑道が陥没したような跡.坑口の前には黒色の岩石は殆ど見られませんでした.落葉の下に埋もれているのかもしれません.

 

八戸地炭鉱の無煙炭.大きさの割には軽い.

 

 

 炭鉱跡を辞して,檜川流域方面にとった.上流は河守(大江山)超塩基性岩が分布していて,なにか川原に流れているかもしれないので寄ってみました.

 宮福線の辛皮駅を過ぎ,縦貫道の高架を右に見て普甲峠道にはいりました.寺屋敷の在所の手前で曹長岩の露頭を見つけたので写真に撮りました.

市道の脇にあった曹長岩の露頭.周囲は異剥輝石岩―斑糲岩と,それから変質した蛇紋岩が多く見られました.こういう岩石は非常に堅いので写真だけ撮りました.

 

 在所に上がる道を採り,登って行くと標高230mくらいのところが禿げていたので少し露頭を観察しました.尾根の鼻のようなところを回り込むように露出していました.尾根の鼻を回り込んだところに,蛇紋岩とは感じの異なる岩石がブロックとして挟まっているところがありました.ロジン岩のようです.

ロジン岩?の露頭.紅白のポールの間隔は約20㎝.

 

帯青灰色の蛇紋岩中に黄褐色のブロックが挟まっているのが観察できました.

 

ブロックの入っている部分の拡大.風化が著しい.

 

曹長岩か? 普甲峠の北に宮津花崗岩が貫入しているため,珪素が供給されて曹長岩になりそうだから,ひすい輝石の産出は望み薄なのですが,感じは加保坂のものによく似ている.

 

 

 河守の変成岩に寄ろうと思ったのですが,今回は時間切れでした.

 

 


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