いくつかの研磨した石151
秋田県大館市餌釣 餌釣鉱山の黄鉱を一面研磨しました.提供された石の一部を一面研磨にまわしました.見た目黄鉱にしては黒っぽく,付いていたラベルに斑銅鉱や四面銅鉱などを含むとあったので,どういう感じに入っているのか試しに磨ってみました.
表面はこんな感じで全体的に黒っぽいですが,閃亜鉛鉱が多いわけでは無いようで,細かい銅鉱物が錆びているようでした.ある程度の大きさの黒っぽいレンズを伴っていて,この部分は緻密な閃亜鉛鉱の集合でした.
(研磨)金属鉱物の集合なので柔らかいと思って磨り始めました.やや粒の揃っている黄鉄鉱の集合の部分がやや硬く,粒の揃っていない黄銅鉱や斑銅鉱を含む部分は比較的柔らかく感じました.硬度の邑があるので,合成砥石のチップを使用して部分磨りをしてから仕上げをしました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
やや粒が揃っている部分.
周囲は粒状なのに,この部分だけ層状のような集合をしていた.
こちらも同様に層のようになった部分の拡大です.赤紫色は斑銅鉱のようで,赤紫色の延長の帯青灰色は早々に錆びた部分のようです.
粒状部の拡大です.黒色部は閃亜鉛鉱で赤紫色は斑銅鉱.帯黄真鍮色は黄鉄鉱.中央やや右にある銀白色が不明で,四面銅鉱にしては輪郭が細長く,劈開のようなものがみられました.
閃亜鉛鉱(黒色),帯黄真鍮色(黄鉄鉱),赤紫色(斑銅鉱),暗帯緑色不定形塊状は緑泥石類のようです.
黄鉄鉱の大きな粒が確認できる部分の拡大です.左側の帯青灰色は錆びた斑銅鉱のようで,その中央に錫のような鉱物が入っているように見えた.
やや粒の揃った部分の拡大です.
各部位の説明はこんな感じになりました.