いくつかの研磨した石145
和歌山県伊都郡かつらぎ町新城横尾 金忠鉱山の含銅硫化鉄鉱を一面研磨してみました.産地が無名で気になって数年前の京都ショーで購入しました.座りの悪い石で,裏面を磨ってみることにしました.
産地は明治20年代の初めくらいから開発され,明治27年頃に粗鉱2.4tを出鉱した記録があり,大正3年に休山.永らく休山期間があり昭和4年に鉱業権が移転.その後に本格操業され精鉱搬出用の索道を山元まで引っ張っていたという.昭和20年に休山した.以後の経過は資料に無く不明です.
標本の表面です(裏側を一面研磨しました)
標本は銅分の少なそうな硫化鉄鉱で,一部に結晶片岩が残っていました.ほかは「ガリ鉱」の部分を少し伴っている.
(研磨)硫化の塊なので,粗目の砥石で一気に磨り上げました.仕上げは青砥でしました.
(以下,顕微鏡写真です)
中央の石英のある部分の拡大です.
黄鉄鉱の粒が確認できる部分の拡大です.
荒い粒が黄鉄鉱で,黒色に近い色は緑泥石のようです.
石英がレンズ状をなす部分の拡大です.石英の中央部に少しだけ黄銅鉱がみられました.中央の黄色っぽい真鍮色の部分です.
レンズ状の石英から派生する石英脈の延長の部分の拡大です.石英脈に伴って粒状の黄銅鉱が少し見られました.
七枚目の写真の脈石英の延長にあるレンズ状の石英の部分の拡大です.水酸化鉄鉱物が鉱染していますが,石英中に黄銅鉱の細かい粒が確認できました.銅は少ないですが含まれているようです.
また研磨面では無い標本の表面の一部に結晶片岩との盤際が少しだけ付いていて,結晶片岩の側に割れ目に生成した孔雀石と元から挟まれていたと思われる方解石が含まれているのを確認しました.
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