鉱物の顕微鏡写真60
―メラノフログ石―
産地:Fortullino, Rosignano Marittimo, Livorno province, Tuscany, Italy.
(購入品・非売品)
Melanophlogite メラノフログ石(黒珪石)
[組成]:46SiO2・6(N2,CO3)・2(CH4,N2) 正方晶系
[色]:無色・白色・淡青色・淡赤色・淡褐色・淡黄色.
結晶は立方体.立方体が組み合わさった球状・半球状の集合体になる.
[光沢]:ガラス光沢~油脂光沢.
[モース硬度]:6.5~7
[比重]:1.99~2.11
[劈開]:無し.
[条痕]:白色.
[蛍光]:長波紫外線・短波紫外線で灰白色.
ガスハイドレートの鉱物.
最近は海外産と国産標本との比較用に集めていますが,以前は日本で産していない鉱物を海外産で埋めていました.この鉱物も購入した当時は本邦未産でした.その直後に知人の標本室を見学中に,未命名の鉱物があり,伺うとまだ名前は付いていないとのことでした.会話中で「これメラノフログ石に組成が似ている」なんて話していました.その石はのちに千葉石になりました.
メラノフログ石も産しているようですが,国産は持っていません.上の標本は10年くらい前に購入したものです.長方形のサムネイルボックスに入っていて底に半分以上読めない嬲り書きのラベルが貼り付けてありました.
母岩はドロマイトや菱苦土石・クトナホル石などからなる炭酸塩岩で,微量の辰砂?や蛋白石などを伴っています.緑泥石のような感じの緑色の鉱物もあり,こちらはあとで,クロムのスメクタイトの鉱物,ヴォルコンスキー石(Volkonskoite)と判りました.メラノフログ石は前述の炭酸塩岩の間隙に結晶する苦灰石の上にアクリルような質感の球状をなしています.
以下,顕微鏡下での観察です.
一部に白色の微細な鉱物を伴っています.
淡黄色葉片状の部分は苦灰石.
別の部分です.球状部がメラノフログ石.
母岩の部分の拡大です.緑色部がVolkonskoite ヴォルコンスキー石です.白色部はドロマイトや菱苦土石などの炭酸塩鉱物です.
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