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いくつかの研磨した石134

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いくつかの研磨した石134

 

 京都府相楽郡和束町園 園鉱山の菱マンガン鉱の標本の裏面を一面研磨してみました.14年くらい前の2月頃に初めて当地に訪問したときにサンプリングした標本です.当時は成形の技術が未熟で75㎜×60㎜×20㎜の箱に入れるのが精いっぱいで,この標本もサイズには入っているものの不安定で酸化被膜の二酸化マンガンもうまく取れていないため,裏面を一面研磨に回しました.

 当地は強い熱変成を受けた層状マンガン鉱床で,新鉱物「園石」の原産地にもなっています.いきなり訪問して見つかるような鉱物では無い..という話を耳にしていましたが,いきなり卵サイズのサンプルを得ることができました.

 どういう傾向の石にそれが入っているかが判りませんでしたので,手あたり次第割った記憶があります.母岩のホルンフェルスが大部分でそれを染める程度のばら輝石や菱マンガン鉱は見られましたが,炭マン主体の石はなかなかありませんでした.上の標本は引き上げ際に一つまともそうなものをサンプリングした時のもので,菱マンガン鉱やばら輝石が層状になっていたものでした.

 

 研磨面では無い面.黒色部は二酸化マンガンの被膜および染まった部分.

 

 

(以下,顕微鏡写真です)

一枚目の写真の中央からやや右手に見られるレンズ状の部分の拡大写真です.研磨前は赤褐色不定形塊状のネオトス石で覆われていました.ばら輝石かと思いましたが,破面を観察すると菱マンガン鉱でした.わずかに石英を伴っていて,後から鉱石を切った脈の様です.

 

三枚目の写真の菱マンガン鉱のレンズ状の脈の左手にある,少しだけ残ったネオトス石の部分の拡大です.よく見ると一部に黄銅鉱の微細な粒を伴っていました.

 

一見,菱マンガン鉱のみに見える部分の拡大です.破面を観察したところ微細な満礬石榴石を含んでいました.

 

二酸化マンガンの染み(黒色)に近い部分の拡大写真です.

 

 石榴石の多い部分の拡大です.オレンジ色の部分が石榴石で,淡桃色が菱マンガン鉱.オレンジの脈に沿って小さいレンズをなす部分にアレガニー石や園石が入っていそうですが,小さすぎて判別できませんでした.

 

オレンジ色の石榴石の脈の盤際の部分の拡大です.テフロ橄欖石を含んでいそうでしたが,この石には入っていませんでした.

 

黒色の二酸化マンガンの染みを伴う脈の部分の拡大です.かなり細かいですが,白色針状の角閃石類が混じっているようです.

 

石榴石の多い部分です.

 

 

 

 当地へは14年ほど前に複数回訪問しましたが,最近は全く観に行けていません.現場の写真が無いので機会あれば再訪したいところです.

 

 

 

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