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浜横川の緑の石

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 浜横川の緑の石

(表から)

(横から)

 先日に机の上を探していたら,長野県浜横川鉱山のチップのような石が出てきました.二酸化マンガンの被膜の上に修正液で被覆し産地名を記入していました.9年ほど前に訪問した時にサンプリングした石です.前日に小雨が降っていたうえ,当日は曇天でジメジメ,石は濡れていて品位がよくわからず,おまけにでっかいブト(ブユ)に4か所もやられた思い出深い産地です.ずいぶん前からサンプリングした石で,ちょっと気になった石は裏面や側面のわずかに残った酸化被膜に,修正液で被覆し産地名を記入していました.結構整理ができないので,混ざってしまうのを避けるために産地を明確に記入しておくことにしていました.先日に出てきた石を改めて見直すと,緑色の粒がありこれが気になってストックしていたものだと,思い出しました.上の石は大部分がばら輝石です.灰緑色―淡黄色部に見える部分がテフロ橄欖石,黄白色部が菱マンガン鉱,帯紫赤褐色部がアレガニー石です.(非売品)

 顕微鏡で確認すると緑色の粒は2種類あることに気づきました.以下は顕微鏡写真です.

 

 

 

 

手前の草緑色は劈開のようなものが見え,緑泥石のよう.奥の緑色がよくわからない.目視,ルーペ下ではアップルグリーンを呈しガラス光沢をしていました.劈開は小さすぎてあるのかないのかははっきりしません.緑色の重晶石というのが丹波帯の層状マンガン鉱床でよく見かけていますが,これより品は良い緑色にみえました.重晶石ではないように思う.

 

以下は3枚目の中央下についている緑色の粒です.

 

鮮やかさと光沢が鈍く緑泥石のようです.

 

 

 いくつかの文献に浜横川鉱山より「鈴木石」の記載がありました.標本の数は多いらしいことを聞いているが,多くが緑泥石で鈴木石はほとんど無いという話もあとから聞いた.アップルグリーンの部分が「鈴木石」である確証はありませんが,そうだったらいいな~と思っています.

 今回は2種の緑色の粒を確認し顕微鏡観察をしましたので写真に撮ってみました.


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