いくつかの研磨した石87
福井県大飯郡おおい町名田庄虫鹿野の内挙原 挙原鉱山の黒鉛盤―
菱マンガン鉱からなる鉱石を一面研磨してみました.小浜街道から少し
北東に外れたところにあるマンガン鉱床で,一度だけ探索に行きました.
野帳を詳しく付けていなかった時代に行ったのではっきりとは覚えて
いませんが,林道から旧街道入り口という半分以上朽ちた看板があって
そこからしばらく登った先に二俣があり,二酸化マンガンに染みた石を
追って登っていくと,入り口が崩土で見えなくなっている坑口が一つ,沢
沿いにあり更に支尾根に登ったところにも一つ坑口があったのを覚えて
います.当時は原付でウロウロしていたため遠出は出来ませんが,細か
い林道にはすんなりと入れて便利でした.鉱石は黒鉛盤に菱マンガン鉱
を伴ったあまり色の無いもので,同じようなものが多く一つだけサンプリ
ングしたのが上の標本です.他にぼそぼその二酸化マンガンに石英脈
が入ったものや瓦のような二酸化マンガンが沢沿いに見られた程度で
した.
(研磨)この標本は以前の回にもあった,観察する面が正面から観察で
きない石でしたので,裏面を平滑にすることを兼ねて一面研磨してみま
した.先ずルーペ等で硬度の高い石英などが入っていないかを確認して
工業砥石の荒砥で平滑になるまで一気に削りとりました.成形時の衝撃
でひびが入っていてバラバラにならないか気を付けながら研磨していき
ました.一部が欠けたほかは大きな欠けも無く荒削りはなんとか終える
ことが出来ました.
磨る前に確認はしていましたが,荒削りの後に青灰色のテフロ橄欖石
が入っているのに気づきました.量は少しなのでいつも通り番手を変えて
研磨しました.仕上げは青砥で光沢が出てくれたら..と期待しましたが,
上手く出てくれず,色々試しましたがうまくいかないためチャートで磨って
みました.思った以上に細かい石英が混入していて,そこがきれいに光沢
が出てくれました.
(以下,顕微鏡写真)
中央の青灰色がテフロ橄欖石.褐色部はカリオピライト.
層状になっている部分は主に菱マンガン鉱からなっています.
この鉱床では確認した限りでは,石墨・黄鉄鉱・石英・二酸化マンガン
の鉱物・菱マンガン鉱・テフロ橄欖石・カリオピライト・緑泥石などがあり
ました.
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