いくつかの研磨した鉱物66
新潟県村上市(旧朝日村)葡萄鉱山の鉛亜鉛鉱を一面研磨して
みました.以前どこかで購入した石で,割り方がまずかったのか
かなり不安定で,標本箱内でコロコロ転がるため平坦に近い面
を粗削りしました.
表面.
葡萄鉱山は嵯峨天皇の時代に発見・開発されたと伝える
鉱山で,旧幕時代にも銀鉛山として操業されたという.明治
40年頃より近代開発され,現在は廃坑になっている.
花崗岩及び安山岩・同質凝灰岩中の鉱脈鉱床で,上の
標本にも上盤と下盤が石英に交代された同岩の構造が残
っている.
研磨ははじめにベビーサンダーで一気に粗削りし,その後
家庭用砥石で中研ぎし,大平山の砥石で仕上げしました.
母岩が石英に交代されているので,軟らかい方鉛鉱や閃
亜鉛鉱が先にすり減ってしまい,思った以上に大変でした.
両盤の石英を荒砥で先に削ってから真ん中にある鉛亜鉛
鉱を後で磨るとうまく行きました.
光沢を出そうといろいろやってみましたが,鉛も亜鉛も光
沢が出てくれませんでした.
真ん中の左右に入っている脈が方鉛鉱・閃亜鉛鉱からなる
脈です.鉛灰色部が方鉛鉱,にわかに透明感のある黄土色
が閃亜鉛鉱.
石英に交代された凝灰岩質岩を鉱染する微細な黄鉄鉱が,
全体的に見られ,上盤の鉛亜鉛脈に近い部分に黄銅鉱が
少量入っていました.斑晶の長石は白色無光沢の粘土鉱物
に変質しているようでした.
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