鉱物の顕微鏡写真11
Rockbridgeite ロックブリッジ石
組成:FeFe4[(OH)5|(PO4)3] 斜方晶系
産地:Hagendorf, Waidhas, Bavaria, Germany.
モース硬度:4.5 比重:3.3~3.49 劈開完全.
色:灰緑色・濃緑色・緑黒色ガラス光沢.条痕:灰緑色.
燐酸塩鉱物に一時期ハマっていましたが,キッカケに
なった石です.一見すると緑泥石の塊のように見えますが
それより光沢が強く,高貴な感じがしました.
燐酸塩ペグマタイトというやや特殊なペグマタイトより産し
初成鉱物の分解物として産するようです.
本邦でも二・三の産状が知られていますが,いずれも
量的に少量で上の写真のような標本は見たことがありま
せん.本邦では茨城県かすみがうら市雪入よりペグマタイト
中のものと,神戸層群の燐酸塩ノジュールから報告されて
います.
前者はやや霞がかった灰白色の長石中に,埋没している
トリフィル石などの分解物として産しました.
後者は主に藍鉄鉱からなる燐酸塩ノジュールの分解物と
してノジュールの中心の空隙に黒色物質として産しました.
(以下,以下顕微鏡写真です)
中央部の空隙のあたり.黒色―灰緑色部がロックブリッジ石.
別の部分の空隙.同心円状の集合の上にある黄色の
粒状鉱物は不明.
中央のやや大きな空隙部のさらに拡大したもの.やや明るい
灰緑色部はベラウン石系の鉱物.
更にその拡大.
そのほかの部分を拡大してみました.黒色部はロックブリッジ石.
淡いピンク色の鉱物が見え,おそらくストレング石ではないかと
思います.黄色の微細な部分は判りませんでした.
黄色の部分の拡大.顕微鏡で最大限拡大して,カメラの
ズームを使用しましたが,結局黄色の鉱物は判別できません
でした.
放射状集合をしているロックブリッジ石の盤際が,写真の
ように溶け去っているところがありました.
溶け去っている部分の拡大です.かなり小さいですが
淡い褐色の球状集合体と白色の半透明柱状の鉱物が
見られました.
対象物が小さすぎるためこちらも判別できませんでした.
一番初めに掲載した石は裏側がデコボコでかなり不安定でした.
撮影するのにうまく前を向いてくれないため,裏側を思い切って
磨ってみました.
磨っている間,灰緑色というか抹茶色の粉末が出ていました.
磨り上げた一部に硫砒鉄鉱が入っていました.銀白色の
部分が硫砒鉄鉱です.
この産地では硫化物は結構普通に入ってくるようで,
手持ちのツヴァイスライトやトリフィル石の標本も改めて
観察してみると,石英脈に伴って入っていました.
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