先日,雨が降る前にちょこっと北の方に
行ってきました.
滝探し半分,穴探し半分で,前者は立派なものは
見つけられませんでしたが,後者は崩土で入口が崩れて
はいましたが,選鉱所跡の土台や水平軌道の跡などを
確認しました.
二・三日前から寒暖の差が激しくなってきって,一気に秋が
深まったよう.写真は光明山から北西に延びる山並み.
上の写真の撮影ポイントから南下し,新井に抜ける道より
少し西よりにあるM鉱山を見に行きました.
在所を抜け,三叉路を右に行くとT鉱山で,目的の現場は
直進でした.
堰堤を越えると水の無い川原(伏流水になっている)が見え
奥にズリらしき黒い土盛りが見えました.
川の右岸のズリ.
川原に下る径がありここから川原に下りた.
砂岩質と頁岩質の母岩が多くあり,ちょこちょこっと
真っ黒な石が顔を出していました.
先人のハンマーの跡が全く無く,少し不安になりましたが,
川を少し遡ると選鉱所跡らしき土台がありました.
選鉱所らしき土台.この上に水路があり,コンクリの間を抜けて
にそそいでいました.
ズリは選鉱所?跡の土台の上,川の両岸に同じ高さの石垣
が組まれていて,川沿いに登ると,木馬道か?と思わせる
コンクリたたき道らしきものが川床を横切っていました.
コンクリたたきの傍に真っ黒に焼けた石が点々とあり,
少し先でズリの上に到達したところでコンクリたたきは終点と
なり,鉱石質の石もここで終わりました.
いくつかサンプル採取し,施設跡の位置確認をした後,選鉱所?
の上の沢を見に行きました.
選鉱所上の沢.奥がマウンドになっていたのを確認して,
少し登ると,沢の両岸がコンクリたたきになってました.
更に登ると右岸のマウンドの上に達し,落葉の下にズリ石が
見え隠れしていた.坑口は右岸には無く,対岸のようで,
ズルズル滑るズリを横切って沢に下り,左岸に渡りました.
このあたりの山はよくヤマビルがいるので,時折足元の靴下
を確認しながらの登りでした.
対岸の坑口.大切坑と思われる.崩土により中は,
確認できない.中央よりやや右の滑ったような部分が坑口が
あったところ.中央より若干左に坑口を補強したと思われる
苔むした石垣が少し確認できる.
大切坑より上にもいくつかマウンドがあり,北向きの坑口が
あった.いずれも崩土により内部は確認できない.
ズリは本当のズリで鉱石らしきものは見当たらない.左岸の
中段より,林道方面にやや広い径があったので辿ってみると,
林道の横に大きく抉られたような凹部があり,その横に出た.
林道横の抉られたような跡.林道を挟んで南側に平地があ
り,鉱石が少し見られたところから,おそらくこの凹部は
通洞坑の跡で,平地は選鉱所の方にまで広がっていたため
大切・中切から掘り下って,通洞を切ってここから搬出して
いたと推定した.
鉱石が残っているとしたらこのあたりだろう.
少し探索して全体像が見えてきた.時間もなかったので
次のところに向かう.
このあたりの谷はみんな深いため,途中で引き返さざる
負えない状況となり,現地案内板等をカメラに収める程度
となった.
帰りに道の駅で,根深の太ネギを買って帰った.
ネギはその晩の鍋でおいしくいただきました.
鉱石のサンプル.
選鉱所跡?の水路の先に挟まっていたものです.
母岩の白色部はやや粒の粗い石英で,最上部の黒色部は割れ目
に染みた二酸化マンガンです.中央の鋼灰色は輝銅鉱で,割った
時は赤銅色金属光沢をなし,直ちに酸化して青紫色になる斑銅鉱
を伴っています.表面に広くつく緑色部は割れ目を充填するように
付く孔雀石で,これに伴ってすでに表面が酸化して黒くなった被膜
状の自然銀が少量ついています.ほか母岩のピンク色っぽい部分
は脈石として産するパイロクスマンガン石および菱マンガン鉱で,
少量の方鉛鉱・閃亜鉛鉱(ベッコウ亜鉛もあり)などを伴っている.
この石にはついていませんが,ほかのサンプルに藍銅鉱や
水亜鉛土などの銅亜鉛の二次鉱物,脈石に少量のホタル石など
がありました.(上の写真の石は販売用ではありません)
母岩のサイズは90mm×75mm×20mmの黒箱にぴったり
入るサイズです.
銅鉱物の集合部の拡大写真.
(輝銅鉱様の部分ですが,表面の酸化によって質感が変わって
きました.光沢がやや強いことで少し疑問を感じ,再検討した
結果,四面銅鉱におちつきました)
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