1のつづきです.
筱見四十八滝の滝巡りは「一の滝」と「二の滝」で終わりだそうで,
ここから周回コースを取った.
「一の滝・二の滝」からコース上に戻り,道標に導かれるまま尾根に
向かう.
山道はすぐに壁に当たった.
また鎖場.結構長そう.写真で見えている上部の部分は実際にはまだ中間あたりで上部はさらに高度感のある岩場になっていました.
足場になる窪みは結構少なく,カメラを仕舞い慎重に登って行った.苔むした
部分が多く,窪みも少ない.中間くらいまで来ると展望が開けるが,カメラを出し
ている余裕もなく,一気に登り切った.
鎖場上部.延長50mくらいはあっただろうか.頂上までは気が抜けなかった.
小休止して,先に赴く.まだ膝は笑っていない.
いったん下り,再び沢沿いに登っていく.いままでとは全く異なる平坦な道.
翠が美しい平坦な道.
左手に石垣があり,炭焼窯跡のようだ.だらだらした道を登っていくと,「近道」
と平坦な「遠回り」の道との分岐になった.少し足を延ばそうと思っていたので
平坦な道を取った.
分岐から間もなく稜線で,こちらにも道標があった.径は610m峰を北から巻い
ているようで,その先の鞍部に下山コースとの分岐になった.
ここから峠山をピストンする.広葉樹の混じった植林内を尾根伝いに進む.
彩の乏しい尾根で花を探すが全く無かった.それでも腐葉土に生えるキノコ
は見つけた.
色からして毒がありそう.高さは10㎝くらい.
もう一つがこれ.奇妙な形をしている.幼菌か?
道端に生えているキノコを楽しんで登り詰めると山頂だった.
峠山山頂.標高630m.植林内で展望はまるでダメ.おまけにガスっていた.
三角点.
展望が得られず長居する気もなく,下山口の鞍部まで下った.このあたりから
膝が笑ってくる.
鞍部の分岐点.右手の下り道を採った.
もともと林道のようで,足元は比較的楽.つづら折れの道で,だらだら下って
いく以外には見るようなものはなく,あまり面白くない道だった.大水でもなった
ら沢になるらしく,褐色の粘土が出ていて,雨上がりなどはズルズル滑る.
道幅が広くなってくると谷沿いの道になり,一気に高度を落とす.目前が
明るくなりやがて駐車地点についた.
来た時は自分ところの車一台だけだったのに,7台に増えていた.
かえりに本明谷のマンガン山に寄ってみた.付加体の鉱床は久しぶりで
堰堤の先のズリで真っ黒にさびた転石を探す.
巡検用に使っている小さなハンマーしかもっていなかったので,端だけ
欠かして確認する.
沢沿いでこの鉱山で見たことがあまりない,鉄さびの少し吹いた石があった.
端だけ欠かすと黒鉛盤のようで,割れ目を石英が充填し,何か黄色い脈が
走っている.
下流の方が少し明るいので持っていってみると,それは間違いなく,
カーフォル石(Carphorite)だった.簡単な組成のマンガン鉱物でどこでも出そうな
鉱物だが,どういうわけかこの鉱床でしか本邦では見つかっていない.
石英脈に伴っているものは分厚く,層理に関係なくチャートを切っているもの
は脈が細い傾向があった.また,石英脈に白い粉のようなものが付いていて,
ルーペで確認するとどうもセリサイトのようで,細かい黄鉄鉱を伴っている.
訪問回数が多いのにカーフォル石だけはどうしても見つからなかった.
気をよくして帰路に就いた.
今回のルートマップです.
ペイントで手書きしているので縮尺は無視しています.
参考程度に.