いつごろ購入したかは忘れましたが,変な形で切れている鼈甲亜鉛があってこれをきれいに切ってできるだけ研磨してみました.
鼈甲亜鉛は角礫状の凝灰岩を取り囲むように鼈甲亜鉛が脈状をなし,リングのようになっているものです.鼈甲亜鉛の外側は細かい水晶の空隙を伴った石英脈で,一目で金銀のような面白そうな鉱物は入ってないというのが分かるくらい白っぽい石英脈です.
鼈甲亜鉛に伴って少量の方鉛鉱が混じっているほかは特に目立った金属鉱物は入っていないようだった.
切断面は当初適当に切ったようでかなり深い溝が入っていて,カーボランダムの砥石で削ってみたが,火花が散るのと音がうるさいだけで,ほとんど削れませんでした.
最近になって,ダイアモンドパウダーの付いた砥石が入りましたのでこれで削ると僅か40分ほどで平坦にできました.円盤の径が小さいので真ん中付近まで届かず,盛り上がってしまいました.
なんとかして中心部分を低くして,あとはどこまで手磨きできれいになるかでした.いつも通り粒度の粗いサンドペーパーで荒削りをしていった.
番手を180-600-800-1500と変えて見た目きれいになりました.ルーペで確認するとまだ細かい傷がたくさん入っているので,ここから天然砥石で仕上げしていこうと今やっているところだ.天然砥石とはいっても山登りの際に林道のカット面の脇に転がっている砥石質の堆積岩で,形のいいのを選んで岩石標本用に拾ってくるものの割れカス.
先日この割れカスで研磨石の表面の凹凸を取ってみようと思い,ためしにやってみたら思いのほかきれいになった.いまさらながら少しハマりそう.
上の写真の砥石は本来,砥石型珪質粘土岩のラベルを付けようとよけておいた石で,鴨瀬谷の林道で拾ったもの.目がそろっていてきれいだった.
これで磨ってみると石英脈の部分がまず鏡面磨きのようになった.やはり少し柔らかい凝灰岩質の部分がへこんできれいにならない.
磨いているうちにきれいになるのか,今やっているところだ.
休憩中に顕微鏡をのぞいてみた.ほとんどが鼈甲亜鉛と閃亜鉛鉱だったが,凝灰岩質岩中に黄鉄鉱が,外側の石英脈と鼈甲亜鉛の脈との境界付近にエレクトラム?と輝銀鉱,針状の銀鉱物が少し見られた.
エレクトラムと輝銀鉱.錆色になっているのがエレクトラムのようだが小さすぎてよくわからない.青っぽいところはもっと拡大すると確かに立方体に近いものが入っている.更に小さなものに針状の鉱物が入っている.写真の黄色いものは砥石の削りカス.
天然砥石で磨くと思いのほかきれいになり,ためしに磨ってみた石を下に掲載します.
5年ほど前に由良川上流の河内谷でマンガン山を探しているときに偶然川の横で見つけた鉱山のもので,鉱石が道から近い所為か汚い炭マンが少しあっただけだった.大きな鉱石もなく中途半端な石でしたので表面を少し削ってみて層状が分かるようにしようとおもってしたものです.画像の石の大きさ約60mm×65mm×30mm.上の方はハウスマン鉱からなるチョコレート鉱で,その下にヤコブス鉱からなる黒い脈で切っています.あずき色の部分はアレガニー石でヤコブス鉱との境界付近が赤褐色になっている付近にリッベ石が含まれていそうですが,確認していません.
ヤコブス鉱と菱マンガン鉱の層状鉱石.
これはすぐ近くの西山公園のマンガン鉱床の貯鉱で見つけたもので,いくつか整形してみたものの形が気に食わないので,切断してみました.黒い部分がヤコブス鉱で,白い部分が菱マンガン鉱からなっています.写真中央部の緑がかった部分が一番硬く磨るのが大変でした.この部分はテフロ橄欖石からなっています.赤褐色の部分が脈際に入っていて,上述のようにリッベ石かと思いましたが確認してみると緑泥石類が入っているだけでした.マンガン緑泥石の類のようだった.この石も現在進行形で研磨しています.写真上部の黒い部分が二酸化マンガンで,この部分だけ極端に柔らかく研磨が難しく,ここからどうしようかと迷っています.
最近は石出ししながら並行してやっています.
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