研磨石
いくつかの研磨した石305
京都府南丹市日吉町海老谷 玉岩鉱山のハウスマン鉱とヤコブス鉱からなる鉱石を一面研磨しました.いわゆるチョコレート鉱です.チョコレート鉱中のヤコブス鉱は層に平行に入っているものが普通よく見る産状ですが,この石は層に直角に脈が切っています.丹波ではあまり見ない石なため,裏面を一面研磨しました.
未研磨面.
層状のハウスマン鉱をほぼ直角でヤコブス鉱脈が切っていて,そのヤコブス鉱の脈をさらにカリオピライトと菱マンガン鉱の脈で切っています.
上の標本は17年~18年くらい前にサンプリングした標本で,そのころの土嚢袋をひっくり返してみたところ,高品位鉱が入っていたので,標本サイズに手のひら割りしました.酸化被膜の二酸化マンガンはなるべく小ハンマーで斫取りたいのですが,残ってしまいました.その面はちょうど2枚目の画像の裏側で1枚目の画像の面はほぼ酸化被膜の二酸化マンガンで覆われていました.
この面を研磨にしました.
(研磨)
主にチョコレート色のハウスマン鉱と黒色の脈状のヤコブス鉱と褐色脈のカリオピライト,白色の菱マンガン鉱くらいしか肉眼的に入っていないので,早く磨れると思って磨り始めました.
研磨するとカリオピライトの部分が若干硬いので,この部分が浮いて他が凹むのですが,量的に少ないらしく早く平滑になってくれました.
全体が比較的軟らかい鉱物の集合なので,光沢がやはり出てくれず,青砥で試しても光沢は出てくれませんでした.
納得できる光沢が一応でたのは,大正の頃に硯石を採鉱していたという現場のズリで拾ってきた硬そうな頁岩があって,断面を見ようと一面研磨した石があって,これを試しに研磨剤として使用したところ,光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡下での観察です.)
暗褐色~赤褐色塊状および黒色の微細な粒状になっているのがハウスマン鉱です.俄かに青色を帯びた黒色脈状部がヤコブス鉱です.かなり濃集しているようで磁石をよく引き寄せます.ネオジム磁石ではくっつきました.
ヤコブス鉱の脈の部分の拡大です.俄かに青色味を帯びた黒色亜金属光沢を呈しています.白色部は菱マンガン鉱.
チョコレート鉱を斜めに切るカリオピライトと菱マンガン鉱からなる脈の拡大です.茶褐色―黄褐色のガラス光沢部がカリオピライトで白色―淡紅色部が菱マンガン鉱です.
ヤコブス鉱脈をカリオピライトからなる脈が交差した部分の拡大です.なにか特殊な鉱物ができているのではないかと勘繰りましたが,肉眼でわかるようなそういうものはありませんでした.