マンガン鉱物
Kutnohorite クトナホラ石
兵庫県豊岡市日高町羽尻金谷 但馬三方鉱山
Locality:Tazima-Mikata Au-Ag mine, Kanatani, Haziri, Hidaka-cho, Toyo-oka city, Hyogo prefecture, Kinki region, Japan.
(非売品)
Kutnohorite クトナホラ石(クトナホル石)
CaMn2+[CO3]2
三方晶系.
兵庫県北部の熱水鉱床で脈石にマンガンを伴う鉱床は少ないですがあって,この標本もその一つです.鉱床は安山岩および安山岩質凝灰岩の裂罅を充填する熱水鉱床で,石英や方解石,菱マンガン鉱のほかにクトナホラ石もありました.この標本は知人に指摘されるまで菱マンガン鉱のラベルを付けていました.のちに知人より,クトナホラ石が現地に大量にあるとの情報を伺って,検討したところクトナホラ石でした.
金属鉱物はおもに硫砒鉄鉱や方鉛鉱などで,この標本の裏面に少量ついていました.
クトナホラ石はこの標本で灰白色―淡灰色で脈のようになった部分です.俄かにピンク色を帯びた白色不定形塊状部は菱マンガン鉱です.黒色部はマンガンの酸化被膜です.