銅鉱物
黄銅鉱(Chalcopyrite)
滋賀県湖南市石部緑ヶ丘 石部鉱山金山鉱床
Locality:Kanayama deposit, Ishibe Cu mine, Ishibe Midorigaoka, Konan city, Ohmi old county, Shiga prefecture, Honshu island, Japan.
(非売品)
Chalcopyrite 黄銅鉱
CuFeS2
正方晶系.
以前にも黄銅鉱の回で紹介しました.以前に知人より提供された標本で,放置しておくと埃やゴミが付着して汚らしくなるので,定期的に掃除しています.表面が酸化したのか黒っぽくなっていましたので,軽く洗うと元に戻りました.
石部鉱山は通称「灰山」や「金山」で呼ばれることの多い現場で,灰山の二次帯から多種多様の二次鉱物を産したので有名になりました.
文献を追っかけてみると,石部吹屋ヶ谷というところで稼業されていたらしく,その後に延宝3年(1675)および正徳5年(1715)に探鉱されていたらしい.,安永6年(1777)に探鉱し,40貫の粗銅を生産したという.その後はしばらく休山状態だったようで,次に文献に出てくるのは,慶応2年(1866年)に探鉱を開始したという記述があった.慶応3年(1866)に再開したという.再開されたが明治中期に採算が合わなくなって休山したという.生産記録は1867年~1869年の粗銅:3~4.8t,製鉄:9.6t~10.8tという記載だけがあるのを見つけました.
産出鉱物は当方調べで,自然銅・石墨・輝銅鉱・斑銅鉱・閃亜鉛鉱・磁硫鉄鉱・黄銅鉱・方鉛鉱・硫カドミウム鉱・方硫カドミウム鉱・マッキーノ鉱・銅藍・赤銅鉱・石英・褐鉄鉱・方解石・孔雀石・水亜鉛銅鉱・水亜鉛土・亜鉛孔雀石・藍銅鉱・白鉛鉱・菱亜鉛鉱・菱マンガン鉱・ブロシャン銅鉱・鉄明礬石・硫酸鉛鉱・青鉛鉱?・緑礬・石膏・ラムスベック石・シューレンベルグ石・ポスンジャク石・ラング石・燐銅鉱・亜鉛燐銅鉱・擬孔雀石・コーク石・緑鉛鉱・パラショルツ石・ヴェゼリ石・ピータース石・灰鉄石榴石・灰礬石榴石・桃簾石・緑簾石・珪灰鉄鉱・異極鉱・灰鉄輝石・緑閃石・珪灰石・鉄バスタム石・珪孔雀石・含銅アロフェン・魚眼石・菱沸石・濁沸石など.
筆者は過去3回程度しか行っておらず,今回の黄銅鉱とともに塊状の閃亜鉛鉱を当地の主要鉱石標本として残していました.