マンガン鉱物
ばら輝石(Rhodonite)
兵庫県丹波市青垣町田井縄 宝珠鉱山山神坑
Locality:Hohzyu Mn mine, Tainawa, Aokaki-choh, Tanba city, Tanba old county, Hyogo prefecture, Honshu island, Japan.
(非売品).
Rhodonite ばら輝石
(Mn2+,Ca)Mn2+4[Si5O15]
三斜晶系.
(ばら輝石のグループは細分化されましたが,肉眼での判別はほぼ不可能で,従来通りの表記にしています)
兵庫県下のマンガン鉱床は鉱脈型の鉱床は別にして,西端に少しと東端に集中しています.それらの鉱床の北端あたりにあるマンガン山の標本です.
20年くらい前に訪問した際にサンプリングした石で,二酸化マンガンが多く,炭マンは少ない印象の山でした.炭マンは主にカリオピライトが多く,次いで白っぽい菱マンガン鉱に,テフロ橄欖石と続き,少ないものにばら輝石がありました.
ばら輝石のついたサンプルは上の一つだけでした.丹波Ⅱ型のマンガン鉱床にはパイロクスマンガン石は今のところ出ていないそうで,この石は知人に見てもらって始めて「ばら輝石」のラベルを付けました.
全体の茶褐色~赤褐色ガラス光沢部がカリオピライトで,黒色は二酸化マンガンの染み,灰緑色油脂光沢部はテフロ橄欖石です.ばら輝石はそれらを埋めるように,淡いピンク色の小塊状や脈状をなしています.