マンガン鉱物
横須賀石(Nsutite)
滋賀県高島市朽木雲洞谷大谷 熊畑鉱山
Locality:Kumanohata Mn mine, Ohtani, Kutsuki Utohtani, Takashima city, Shiga prefecture, Ohmi old county, Honshu island, Japan.
(非売品)
Nsutite 横須賀石(エヌスタ鉱)
(Mn4+,Mn2+)(O,OH)2
六方晶系.
顕微鏡写真シリーズや研磨石シリーズで紹介出来なさそうな標本を掲載しています.今回は横須賀石(エヌスタ鉱)です.二酸化マンガンの高品位鉱石で黒くて重い以外は特徴があまりない鉱物です.海外のページには樹枝状や半球状・ぶどう状・仏頭状・繊維状のものが知られているらしく,本邦のものは塊状のことが普通です.
上の標本は朽木の熊畑鉱山のもので,当地へは過去数回訪問したことがありました.当地は層状で美しい茶褐色~赤褐色ガラス光沢を呈する層状のカリオピライトが出ていて,ほかに緑マンガン鉱やパイロクスマンガン石などイロモノが多数見られました.上の石は後に購入した標本で,ハウスマン鉱(赤褐色部)が残っています.クリプトメレンと似ていますが,色は黒色で青色味が殆ど無く,硬質でしっかりしています.複数の二酸化マンガンの鉱物が混じっていると肉眼での判別はほぼ不可能で,分析機器を使用しないと判別できません.