昨日ようやく入手した標本の整理を終えました.お気に入りの標本をいくつか紹介したい.(こちらの標本は通販用商品ではありません,非売品)
標本箱より
○含銅硫化鉄鉱
徳島県東祖谷山村 祖谷鉱山
○含銅硫化鉄鉱中の閃亜鉛鉱
愛媛県西条市 千原鉱山
○含銅硫化鉄鉱中の黄銅鉱
愛媛県伊予郡中山町 仁川登鉱山
○含銅硫化鉄鉱中の黄銅鉱
愛媛県五十崎町 大久喜鉱山
○重晶石
青森県上北郡天間林村 上北鉱山
○砒四面銅鉱
秋田県大館市 釈迦内鉱山L11鉱体
○カイノス石
京都府亀岡市畑野町広野
○黄銅鉱
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町 妙法鉱山
○方鉛鉱・絹雲母
島根県鹿足郡津和野町河原 日原鉱山
○クロム鉄鉱
岡山県新見市哲西町大茅 岩比鉱山
○直閃石菫青石黒雲母ホルンフェルス
岡山県久米郡美咲町 柵原鉱山
○ラベンダー色ひすい
新潟県糸魚川市小滝川
○輝安鉱・閃亜鉛鉱・黄銅鉱・方鉛鉱
静岡県賀茂郡南伊豆町青野 奥山鉱山
以上13個
Anthophyllite-cordierite-biotite hornfels
直閃石―菫青石―黒雲母―ホルンフェルス
産地:岡山県久米郡美咲町柵原 柵原鉱山(N社にて購入)
鉱山地質か地質学雑誌で見たのかわかりませんが,鉱床母岩にこういうものがあると読んだ気がして購入した.塊状の硫化鉄鉱床である柵原鉱山にこういう脈岩があるというのを知らなかった.石の裏側は風化面になっていて,直閃石が滑石に変質していてスベスベしている.菫青石はルーペでやっと確認できるような小さな不定形で入っていて,粒間を直閃石で埋めているそうだ.
標本は坑内から出たそうで,鉱山稼業時のものということだった.
カイノス石
組成 Ca2Y2[CO3|Si4O12]・H2O 斜方
産地 京都府亀岡市畑野町広野
茨木複合火成岩体の北部岩体である剣尾山花崗岩中の晶洞鉱物.採石場の一番上で有馬層群瑠璃渓層の流紋岩と接している.豆ガマ中にミラー石・カムポーグ石・亜鉛ヘルヴィン・バヴェノ石・珪灰鉄鉱・束沸石などのペグマタイト鉱物を産した.地元の鉱物でやっと入手できた.写真の矢印は撮影のため少し上にずらしました.カイノス石は矢印の先のななめ下に着いている束沸石のような柱状結晶です.
クロム鉄鉱
組成 FeCr2O4 等軸晶系
産地 岡山県新見市哲西町大茅 岩比鉱山(N社にて購入)
岡山北西部の超塩基性岩体に胚胎するクロム鉱床の一つで,岡山県内では一番西に位置する.この付近のクロム鉱床は神郷町高瀬鉱山が一番有名で,そのほかの鉱山のものはほとんど見かけない.売っていたら買っておこうという産地であったため購入した.ほぼ全体がクロム鉄鉱で,裏面に断層で滑ったような跡が着いている.1937年発行の75000分の一地質図に位置が記載されているほかに文献は見当たらない.
絹雲母中の方鉛鉱
組成 PbS 等軸晶系
産地:島根県鹿足郡津和野町(旧 日原町)河原 日原鉱山(N社にて購入)
この標本はいくつか文献には掲載があるものの,鉱石を見たことがなくあったら買っておこうという感覚で購入したもの.熱水の影響で母岩が絹雲母に変質している.これに埋もれるようにして方鉛鉱がいくつか見られる.ほかに黄銅鉱や黄鉄鉱・閃亜鉛鉱が入っていた.文献には坑内図等は掲載があるが正確な位置は分からない.
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