巡検
漆谷鉱山
京都府京都市右京区京北漆谷町堺谷
ひさびさに野外に出ました.滝めぐりや河原めぐりをするために近場ですましました.日吉ダムから北上し明日ヶ谷の玄武岩ブロックの露頭を見て,旧京北町内に入りました.鉱山は峠の南側にある池の畔から径に入りました.
鉱山の入口.池の畔を左手奥に歩いていく.
池の西端の尾根を回り込むと小さな谷に出て,上の方にズリのマウンドが見えました.
マウンドの奥に,入口が崩土で見えなくなった坑口が一つ残っていました.
当地はもともと会館の館報で位置を知りましたが,二酸化マンガンの鉱物くらいしか記載がありませんでした.マウンドの下の方に平坦に整地された場所があって,こことズリの間の斜面の転石より,初めて炭マンを得ました.
菱マンガン鉱.色の淡いもので側面に球顆状の菱マンガン鉱も少量含んでいました.(非売品)
孔雀石.サンプルを成形のために半分に割ったところ,破面に緑色が見えました.ルーペでひとまず確認すると孔雀石でした.孔雀石がついていたのは珪岩の割れ目で,源鉱物は黄銅鉱だろうと周囲を確認していたところ,脈石英のような部分に染みのような黄鉄鉱と黄銅鉱がついていました.そばの角礫状のような部分は無色―白色の菱マンガン鉱で,一部に赤鉄鉱によるものなのか赤鉄色に染まった部分もありました.
当地で確認した鉱物は黄鉄鉱・黄銅鉱・石英・二酸化マンガン鉱・水マンガン鉱・クリストバル石(記載のあったもの)・菱マンガン鉱・孔雀石など.
帰りに,府道のある峠の向いの谷も入ってみました.入口に水道施設のようなものがあって,谷の東岸に杣道が奥へ続いていました.
谷のどんづまりで杣道は消え,対岸斜面に掘り返したような跡がありました.
中央奥のシダ類が消えたあたりに掘り返したような跡があった.
おそらく坑道の跡.あしもとはイノシシの蒐場になっていた.
このあと,次の場所に向かいました.