石の話
ウチュクチャクア鉱(Uchucchacuaite)
Pb3AgMnSb5S12 直方晶系
北海道古平郡古平町稲倉石元山 稲倉石鉱山産
(非売品)
20数年前に東京のK社で購入した標本ですが,数年前より行方不明になっていました.この前,掃除していたところ,偶然にウチュクチャクア鉱の標本が見つかりました.それを掃除して顕微鏡撮影しました.
母岩の大きさは約16㎜×12㎜×7㎜.その重量は僅かに2.3gという小さな石です.暗褐色―鉄黒色亜金属光沢の閃亜鉛鉱や帯青鉛灰色金属光沢の方鉛鉱,ピンク色ガラス光沢の菱マンガン鉱に少量の白色ガラス光沢の石英からなっていました.ウチュクチャクア鉱はペルーのウチュクチャクア鉱山が原産の鉱物で,アンドル鉱(PbAgSb3S6)に近縁のマンガンを含む硫塩鉱物だそうです.
結晶をすれば条線の発達した柱状結晶になるらしいのですが,この石は塊状でした.
多く集合している部分を拡大しました.上の方にわずかに柱状にみえるような輪郭の鉱物がついていました.