研磨石
いくつかの研磨した石296
茨城県久慈郡大子町袋田鉱山のベルチェ鉱を一面研磨しました.見た目珪化した角礫岩のように見えて,かなり堅そうな感じがしました.この感じならどこかに金が居そうで,一度磨ってみることにしました.
未研磨面.
(研磨) 一見して硬そう.手を出してみましたがかなり硬くて,平滑にするのが大変でした.普通の砥石なら簡単に負けてしまいそうなので,粗削りに解体工事現場でもらってきた古いコンクリート(円礫の入っている)片で磨り始めました.程よい凹凸があって,いつも見た目硬そうな石の粗削りに使用しています.コンクリート片に細かいチャート礫が入っていると最高で,硬そうな研磨サンプルでも磨っているうちに角が取れてくれました.
そのあとで粗いペーパーを使用して平滑にしました.白色の礫状の部分がかなり軟らかいようでここだけへこんでしまいました.
仕上げは青砥でしました.珪化した部分はかなり光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
諸所に黄褐色の酸化被膜が付いています.研磨中に酸化被膜と母岩の間に金が付いていそうで,磨りながら何度も観察しましたが,金粒は入っていませんでした.
新鮮な時はこんな感じのベルチェ鉱ですが,間もなく酸化して虹色や青色味を帯びたりして錆びてきます.ベルチェ鉱の粒の細かいところに,かなり微細ですが,黄色い金属鉱物が付いていて,これが金だったらいいのですが,細かすぎて判別できませんでした.ほかにいくつか輝安鉱らしい柱状の鉱物も鏡下で見られました.
白色の陶器のような角礫部は黄鉄鉱が入っていました.アンチモン鉱物の多い暗色部にもちょこちょことは入っていましたが,多く入っているのは白色部でした.