京都府の鉱物
産地:京都府京都市右京区保津峡壁岩(非売品).
ヴァシェギー石
京都府京都市右京区保津峡壁岩
いまから20年くらい前にサンプリングしたヴァシェギー石の標本が出てきました.正面に埃がこびりついていて,矢印の粘着部も埃だらけでした.掃除を兼ねて矢印も新調したうえで,顕微鏡下で撮影したものを掲載します.
ヴァシェギー石(Veshegyite)は, Al6[(OH)3(PO4)5]・23H2O という組成の鉱物で,堆積性燐鉱床や堆積岩の酸化帯で見られる鉱物です.だいたいが皮膜状のことが多いのですが,稀に板状結晶の放射状集合が見られました.
以下は一つの標本内の結晶質の部分を拡大し撮影しました.
板状結晶の放射状集合部がヴァシェギー石です.表面についている粒は掃除のとき取り切れなかったゴミです.
この産地ではほかに,石墨・自然銅?・閃亜鉛鉱・黄銅鉱・黄鉄鉱・石英・褐鉄鉱・石膏?・鉄明礬石?・コニンク石・カコクセン石などがありました.最後の2つは壁岩トンネルの東口付近のもので,ヴァシェギー石の出た露頭からは北に15mほど離れています.
また,当地のヴァシェギー石はその数年後に発見者と再訪しましたが,雨水に弱いらしく大部分が消失していました.