露頭めぐり
若杉鉱山
兵庫県養父市大屋町若杉
先週に引き続いて,宍粟市の周りの山にどこか行こうと思って,若杉峠近くにある藤無山近くまで行きました.林道に近い県道沿いに登っていきましたが,途中で通行止めに,仕方なく再度若杉峠を下って,不動の滝を見に行きました.
ついでに滝の手前にある若杉鉱山もどうなっているのか,見に行きました.
県道脇の入り口に駐車し,階段を下った.このまえに降った雨の影響か,水量多く轟音が聞こえていました.
沢沿いの道に出て30mほどで建屋のある地点に着き,建屋の谷向いが通洞?のあった斜面で,前回来た時(たぶん2009年ごろ)は下草に覆われていて,判別できなかった.通洞は崩れていて内部を伺うことはできない.
坑口に面する小沢の出合で小沢の奥に大きそうな滝があったが,水量の多い川を渡れず,坑口の確認だけしました.
通洞?.中央のへこんだ部分.石垣の囲まれているように見える.
ここより少し上流に坑口が2つ並んでいた.
若杉鉱山の坑口.
上流側の坑口.手前に鉄焼けした石が転がっている.以前はこの坑口の前のわずかな河原に幅の狭い軌道が残っていたのですが,水量多くて確認できませんでした.
下流側の坑口.突いただけのように見えるが,下の方に切り下がったらしく以前は池のようになっていて,水が溜まっていました.
ズリは坑口の前に少しあるだけと思っていたのですが,遊歩道のある西岸沿いに建つ建屋の側の川沿いに少しありました.
西岸沿いのズリ.
鉄錆びに覆われたズリの石.帯青灰色の頁岩―粘板岩に鉱染しているようなものが見られました.
このあと滝に向かいました.
若杉鉱山の鉱石は黄鉄鉱に少量の黄銅鉱を混入する含銅硫化鉄鉱で多くが帯青灰色の頁岩―粘板岩を鉱染するような感じで入っていて,緻密な鉱石は少ないようです.以下は前回来た時にサンプリングした含銅硫化鉄鉱です.
含銅硫化鉄鉱.主に黄鉄鉱からなり少量の黄銅鉱と磁硫鉄鉱を含んでいます.帯青灰色の部分は母岩の頁岩―粘板岩で一部に灰色―白色の石英を含んでいて,この周りに粒の大きい黄鉄鉱と黄銅鉱が含まれていました.磁硫鉄鉱は石英の集合している部分の盤際のような部分に塊状で少量挟まっていました.