石の話
黄銅鉱
和歌山県日高郡日高川町弥谷
たまには金属鉱物も掃除しないといけないため,ちょっとずつ箱を開けてみて行っています.標本の中には硫酸鉄が吹いていて,その部分を削り落とさないと,周囲から腐ってくるのもあれば,割れてくるのもあります.ラベルを書き換える次いでに撮影しました.
産地:和歌山県日高郡日高川町弥谷 弥谷鉱山(非売品).
先に閃亜鉛鉱の標本を入手していました.上の標本はのちに訪問した際に下の川の堰堤のところでサンプリングしました.国道424号の旧道のような細い道を白馬トンネル南口の方に向かって西に入った谷にあるようで,ここから鉱石がぽつぽつと流れているようでした.現場へは鉱石を追って詰めたもののはっきりとはわかりませんでした.沿革もはっきりせず,元本リストも未記載でした.
緑色岩中の熱水鉱床とのことで,ホルンフェルスのような堅固な石に入っていて,鉱石鉱物の入っているところに白っぽい石英を挟んでいました.標本の黄色っぽいところはすべて黄銅鉱で,左端に黒色亜金属光沢の閃亜鉛鉱を伴っています.
拡大するとこんな感じで,下の方に黄鉄鉱も入っています.
黄鉄鉱の多い部分の拡大です.黄鉄鉱の集合した部分にも微細な黄銅鉱が含まれていました.
機会があれば再訪して,坑口も見てきたいと思う.