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高良城川の渓流瀑 三重県伊賀市上阿波 高良城川

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滝めぐり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高良城川の渓流瀑

三重県伊賀市上阿波 高良城川

 

 

 

 前回の夫婦滝の少し前に寄っていた谷です.地形図に掲載のある谷で笠取山方面まで林道が抜けているそうです.谷の周囲の尾根と谷底の標高差がある程度あるので,滝か何かしらあるのだろうと思ってチェックしていました.

 のちに試掘鉱区があって「金銀銅硫化鉄」を少し探鉱したような記録があって,遺構くらい見られたら~という軽い気持ちで入りました.

 

高良城川下流の河原.

 

 林道を少し登っていくと,給水設備の奥で西岸にわたり,少し上の方の対岸に一つ滝がありました.

右奥に滝が見えている.

小さな堰堤の手前でした.

滝.名称はあるのか無いのかはわかりません.落差は目測で上段合わせて4mくらいでしょうか.枝沢の上の方にも樹々の間から小瀑が見えていました.

 

こちらはその少し手前に水取り用のパイプか何かが隣にある谷の入り口にある滝です.落差は1m内外でしたが,よく見ると,岩盤がむき出しで,茶褐色―暗褐色の変成岩を黄色―赤っぽい岩脈でいくつも切っていました.

 

さらに林道を登っていきました.

こちらは淵の奥にある小瀑です.右手(西側)から流入する谷との出合で,流入する谷にもいくつか小瀑がありました.

 

林道が大きく左へ曲がったところにも小さなナメ滝風の滝がありました.

林道側はコンクリたたきになっています.

真上から見たところ.

この先は堰堤があって,その先に断層が露頭で出ていないか見に行きました.

 

 

多分これが断層.断層の部分が谷になっているようでした.地質図と照らし合わせてもこの付近でのはずだが,となりのモルタルで吹き付けされたのり面に隠れているのかもしれません.落ちている転石は花崗岩質のものが多く,ほかは黒雲母の多いやや片理が発達した変成岩でした.これより上流は花崗岩が多く,引き返しました.

 

 帰りに,下流の河原に降りて転石を観察しました.前述のとおり,花崗岩質岩と変成岩が多く,花崗岩質は緻密なものとペグマタイト質のものが半々でありました.ほかの堆積岩は珪岩くらいでした.それらに含まれていた鉱物を顕微鏡撮影しました.

黒雲母を多く含むやや片理の発達した泥質岩です.それを切るペグマタイト質花崗岩との盤際を一面研磨しました.黒いところは主に黒雲母.一部に電気石.赤いところは鉄礬石榴石.白色部は3種類ありました.長石とややピンク色を帯びている石英,それから横から強い光源を当ててルーペでやっと繊維状が観察できる珪線石がありました.

 

 以下顕微鏡写真です.

鉄電気石.黒雲母を多く含むやや片理のある泥質岩を切るペグマタイト質花崗岩に含まれるものと,緻密な珪長岩質岩中に脈をなすものがありました.この付近では以前から採石場より立派なものを産しているのが有名ですが,近くの谷の転石ではこんな感じでした.たまに色の淡いものがあって,苦土電気石かもしれません.直径1㎜長さ約6㎜.

 

こちらは珪線石です.周囲の長石より俄かにピンク色味をしています.ガラス質の繊維状が観察できましたので撮影しました.左上の赤い粒は鉄礬石榴石です.

 

鉄礬石榴石.この付近の谷に転石として転がっている花崗岩質の石にちょくちょく見られました.粒の大きなものはほとんどありませんが,結晶がシャープで透明感もかなりありました.最後のものは内部に内包物か,あるいはクラックか,が観察できました.

 

 ほかに,割れ目に燐灰ウラン鉱のようなものと,たまーにある黒雲母の大きな劈開部に埋もれて,淡い灰緑色の燐灰石がありました.

 当地で確認した鉱物は燐灰ウラン鉱?,燐灰石,鉄礬ザクロ石,珪線石,紅石英,鉄電気石~苦土電気石系鉱物,黒雲母,白雲母,長石類などでした.

 

このあと,前回の夫婦滝に向かいました.

 

 

 


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