研磨石
いくつかの研磨した石286
京都府舞鶴市大浦 大道山の苦土橄欖石からなる集合を一面研磨しました.前回の露頭のすぐ近くで,10年くらい前に工事していたときに出た転石からサンプリングしたものです.
(研磨)橄欖石と斜長石に少量の頁岩が混じったような岩石で,多少の硫化物も入っていましたので,比較的短時間で仕上がりました.橄欖石が主体の部分は硫化鉱物が入っていて,ここが優先的に早くすり減ってしまい,凹凸ができてしまいました.粗い砥石で硬い部分を先に磨って,高さを合わせました.仕上げは青砥で充分光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
黄緑色部が苦土橄欖石です.灰緑色部も橄欖石のようですが,一部に単斜輝石があるらしく,灰緑色粒状の部分はそれかも知れません.脈状の斜長石の一部は俄かにピンク色を帯びた部分があって,単斜灰簾石に変質しているようです.
白色の斜長石の多い部分の拡大です.粒間を橄欖石を埋めているようで,輪郭のはっきりしない黄緑色―灰緑色粒状をしていました.黒色粒状は当初は磁鉄鉱と思っていたのですが,ネオジム磁石でもほとんど吸い付かず,クロム鉄鉱かクロムスピネルなどの鉱物かも知れません.
硫化物の多い部分の拡大です.暗い灰緑色粒状の鉱物はスピネルのようで,いくらか光がとおる感じがあり,ガラス光沢をしています.黒色はクロム鉄鉱―クロムスピネル系鉱物で,硫化物は輪郭がはっきりするものの,ニッケルを含んでるペントランド鉱や磁硫鉄鉱・マッキーノ鉱などとは判別がつきませんでした.
真ん中の金属鉱物はどうも輝コバルト鉱のような感じがします.
断面が正方形に近いものと針状のものがあって,どちらも小さすぎて判別できませんでした.