巡検
春の丹後半島へ(2022年)
京都府京丹後市弥栄町・与謝郡伊根町
急に暖かくなってきて,積雪が無くなっているだろうと思って,丹後半島へ行ってきました.安山岩のLocalityの写真を撮る目的もあって,経ヶ岬に近いところまで北上しました.
山の上の方は谷筋や凹地に多少の残雪が残っているものの,道路上にはあまりありませんでした.丹後縦貫林道を南下すると,角突山の北西あたりで,残雪があって,通行できず引き返しました.
その途中にある露頭は,かつて大きな沸石の晶洞が出た法面ですが,国定公園内に入って予算が付いたようで,道路の拡張工事があったらしく,露頭がなくなってしまいました.前回来た時は見つけられず,今回ようやく再発見しました.南手に空隙の多いやや新鮮な安山岩が尾根の方から落ちてきていて,沸石脈の周りだけ,変質していました.
そのあとで再び北上しました.
以下はその周辺にあった花です.
北上して碇高原より伊根町側に下りました.碇峠から少し下った谷筋に流紋岩が出ているところがあって,降りて観察しました.
流紋岩の露頭.手前は堰堤工事で積まれた転石.雑草の奥の大きなのが流紋岩.
多くが転石からのものですが,以下の鉱物が観察できました.
瑪瑙.この付近のメノウは脈状のものに限りますが,俄かに青色味があって,一部の空隙に細かい水晶が入っていました.
アラレ石.変質した安山岩中の孔を埋める放射状のものです.
緑簾石.変質した安山岩の孔を埋める鉱物で,緑簾石がありました.写真の孔は緑簾石単独で覆っていて,ほかの鉱物は伴っていませんでした.ほかに沸石を伴っている孔や,方解石が充填している孔も同一の岩石中より見られました.
輝沸石.やや変質した角礫凝灰岩の割れ目を脈で切っている沸石です.この地方ではオレンジ色をした沸石は初見で,福岡県津屋崎の海岸や新潟県柳新田の沸石に類似していて,ソーダ分の多いものかもしれません.