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保津川の転石

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保津川の転石

 

 今日,正午過ぎにあまりにも暖かく,気持ちのいい天気でしたので,ぶらっと歩きに行きました.往復30分程度のウォーキングで,保津小橋の方へ行きました.

保津小橋から下流を見る.

 

 数年前の水害でずっと通行止めだったので,あのあたりがどうなっているのか,も見るついででした.

 

 川原は北岸の方に見に行きました.カメラだけ持って行って,適当にどういう種類があるかだけ見てきました.

上の二つはチャート.上の赤チャートは丹波Ⅱ帯にありそうなチャートで,ずいぶん上流から流れてきたと思う.下のチャートはかなり小さいですが,白い部分に放散虫が入っていました.

 

 

次の3枚は頁岩か,泥質混在岩ともいうべきもので,丸っこい転石は無く,だいたいが細長い楕円形に摩耗していました.一部に水酸化鉄によるさび色がでていて,表面は錆びていますが,内部に黄鉄鉱が含まれているものもありました.頁岩や泥岩は丹波帯に広く分布しているので,どのあたりから流れてきているのかという予想は立ちませんでした.
 
緑色岩.玄武岩の変質したもののようで,空隙が穴になっていました.丸っこい転石が2~3見られました.
 
流紋岩質凝灰岩.保津川の上流から分かれる本梅川流域の西側に,半国山があって,そこから流出したものと思われます.半国山付近は有馬層群の流紋岩および流紋岩質凝灰岩が分布していて,前述の本梅川沿いの転石にも見られました.
 
流紋岩質溶結凝灰岩か花崗斑岩か.自形性の高いカリ長石の斑晶が見られる岩石です.灰白色の正方形に近い部分は高温石英が入っていました.半国山の北東尾根付近で,自形のカリ長石を含んだ流紋岩を見ていますので,これも半国山からのものかもしれません.
 
脈岩.玄武岩質なのかはっきりしませんが,手持ちの標本に斜長石ヒン岩があって,これによく似ていました.岩石中の白色の細長い輪郭の部分が斜長石.地質図を見ているとヒン岩が岩脈で出ているのは愛宕谷の中流だけのようで,当地より上流にあたるため,出元はこのあたりかも知れません.
 
川原の転石はほとんどが灰黒色や灰色・赤褐色・赤色のチャートで,ほかに砂岩質のものがありました.上の2枚はチャートではなく,石英脈です.石英脈に挟まって見える岩石がチャートや砂岩質なので,行者山から来たとは考えにくく,七谷川流域にこの手の石が見られましたので,出元はこの付近かも知れません.
 
 上流に石灰岩やホルンフェルスの出ているところがあるので,こういうものもありそうでしたが,見つけられませんでした.
 

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