研磨石
いくつかの研磨した石281
京都府木津川市加茂町北下手吉水 昭和坂の変成岩を一面研磨しました.4回前のブログで訪問した瀬谷不動尊の滝の近くです.南方にある昭和坂と呼ばれる道の法面に出ている露頭の直下でサンプリングしました.
localityがここで,風化してボロボロになっていたため,直下に落ちている転石からサンプリングしました.
(研磨)当地の変成岩は風化しているものの,内部は比較的新鮮でした.表面は白雲母に変質しているようで,石英が多く入っているのですが,案外早く平滑になりました.風化し粘土のようになった珪線石が多いなか,いくつかは新鮮な珪線石があり,ガラス光沢を呈するものが観察できました.
仕上げは青砥でしていたのですが,光沢が出ず,やや柔い黄白色の砥石で研磨すると光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
黄色っぽいのは水酸化鉄によると思われる染みで,ガラス光沢の灰黄色透明―半透明部が石英.黒色―暗褐色鱗片状が黒雲母.白色のスリガラス状の部分が長石.灰白色でやや透明感があり,繊維状部が珪線石です.
珪線石.中央の灰色半透明部が珪線石.やや新鮮のもので,白雲母にはなっていないようでガラス光沢を有していました.
未研磨面についていた珪線石です.一部に短い柱状の電気石のような鉱物を伴っていました.
当地で確認できた鉱物は,石英・鉄礬石榴石・珪線石・電気石?・長石類などでした.
それから,文献で「珪線石は蛍光する」というようなことがあったので,短波紫外線灯を照射したところ青白く蛍光しました.
青白~帯黄青色部が珪線石.