露頭めぐり
丑谷川
京都府木津川市加茂町里土ヶ橋
領家帯の変成岩類を露頭を見てきました.いままでは木津川の北岸の菫青石や紅柱石を産するホルンフェルスのことが多く,南岸は見てきましせんでしした.地質図を眺めていると,北岸は菫青石帯となっていて,南岸は珪線石帯となっていました.珪線石は紅柱石と藍晶石とは同質三像の鉱物で,後者2者は色があるために比較的市場に出回っていました.珪線石は白色のことが多く,繊維状で,見栄えがしないためか,ほとんど出回っていません.というより採集に行ったという話を耳にしない.
話のネタにちょっとみてきました.現場は燈明寺山の北東にある谷筋で,花崗閃緑岩と珪岩が近接したところでした.
現場付近.
現場近くの在所は河岸段丘の上にあるようで,そこからついている道は川床から随分高いところについているため,川原に降りれそうなところ,この橋の付近しかありませんでした.
道端の露頭.片状に割れる珪岩質の変成岩のようで,表面は風化して観察できませんでした.
道端の露頭のすぐ上の露頭.花崗岩~花崗閃緑岩のようで,片状に割れる感じはほとんどありませんでした.
川向の露頭.一見してチャートの露頭のように見えましたが,これも変成岩(片麻岩?)の露頭でした.
橋の川下に下れるようで,そこに降りたところ足元が4枚目の写真の露頭の延長のようでした.転石をいくつかサンプリングして,つぎのところへ向かいました.
サンプリングした石は黒雲母の多い片状に割れる岩石で,長石はあるところと無いところがはっきりしていました.長石のあるところは花崗岩質で,それ以外の白色部はチャート起源だろう.
花崗岩側に細かい電気石と白雲母の周辺に白色毛状の珪線石が少量含まれていました.ほかに黒雲母に近接する花崗岩側の盤際に,ルーペサイズの鉄礬石榴石の自形が含まれていました.