滝めぐり
氷ノ山東尾根登山口付近から,鉢伏山.
氷ノ山方面へ
先週の連休の中日に氷ノ山方面へ行ってきました.主にO鉱山とスキー場導入路の硫化露頭を探索に行ったのですが,在所やスキー場関係の方に伺っても,「そんなん,あったの~」程度の返答で,皆目見当すら付きませんでした.O鉱山は鉱物関係のリストに自然金を産しているとの記載があって,前々から気になっていました.氷ノ山直下に基盤岩の三郡帯の結晶片岩が出ていて,これの上部あたりに予想していましたが,兆候すら掴めませんでした.その先は林道で雪のないスキー場の中腹を通って,いつかハイキングに来るための下見に変更しました.
東尾根を回り込んだ鵜縄の谷の上流に段瀑がありました.
鵜縄の谷の上流の段瀑.
上から下へ.谷川に落ちている石は主に安山岩で見た目は黒っぽく,玄武岩に近いような安山岩のようでした.大水で林道側に運ばれた転石を見ると,かなり多孔質で,水色の皮膜状の粘土鉱物?に覆われていました.磁鉄鉱が多く含まれているようで,弱い磁石に反応し,内部に橄欖石が腐ったような斑晶もありました.鏡下で見ないことにははっきりしませんが,肉眼的な鉱物は橄欖石の腐った鉱物と,かなりはっきりした斜長石が入っていました.当地の火山岩中の斜長石は大きなものは3mmほどあって,本来は白色なのに,うっすらと黄色みを帯びていました.多孔質の内部は沸石などの鉱物は無く,粘土鉱物かわずかにアラレ石が付いている程度でした.
さらに林道沿いを進んだところに出会った谷に,山蕗?がたくさん咲いたところを通りました.
現地案内板.
そばに山蕗?とセリ科の植物が咲いていました.
現地案内板の背後の安山岩の壁が北東方向に連なっていて,その一部が滝になっていました.
背後の滝.落差は20mくらいはあるだろうか.水が流れている感じはあまりなく,水があればそれなりの滝に見えるだろう.
安山岩の壁の前を辞して,大段ヶ平の登山口まで来ました.ここは標高が1100mを越えていて,運動不足の解消には丁度よさそうだ.横行渓谷から上がればそんなにアプローチは大変ではないだろう.周辺の状況を下見して,横行渓谷へ下って行きました.
横行渓谷へは黒台谷鉱山と試掘坑の探索で何度か訪問しました.前者は戦時中に亜鉛を採鉱していたとか,後者は金の試掘坑で神社のあったところから東方に花崗岩体が出ていてその接触部から少し基盤岩側にそれたところにありました.道なんてものは無く,ただひたすらヤブで大変なところでした.
基幹林道から岐れて横行渓谷を下って行きました.車を走らせていると,右手(谷の南側)より流入する沢に,なかなかの滝がありました.
この橋の向かって左手に滝がある.
支流の滝.落差は7~8mというところか.左上より光が差し込んでいてちょっと幻想的でした.この滝の上流にもいくつか滝があるらしいのですが,ヤマビルが出そうなので,やめておきました.
上から下へはこんな感じ.下の方は苔むしていていい感じでした.
さらに下流へ進みました.道は北岸へと移り黒滝のある谷と合流して,さらに下流に進んだ北岸の支流にもう一つ滝がありました.
一の堀滝.手持ちの道路地図に書き込んでいました.2段で15mくらいの滝でした.
上の段.上部がナメ滝状になっていました.ナメ滝の部分も合わせたら落差はもっとありそう.
上から下へ.小さな滝がありました.
このほかにもいくつか名前のある滝があるのですが,大屋の奥なので帰り道が非常に長く,日没の時間も迫っていたため,ここで帰途に就きました.
以下は,氷ノ山東側のマップです.滝の名称等はかなり古い時代の登山記録や山行本に掲載のあったものを書き留めていたのを,追加しました.図はいつも通りペイントを使用してフリーハンドで描いているため,縮尺は無視しています.参考程度に.