研磨石
いくつかの研磨した石266
静岡県浜松市天竜区佐久間町浦川出馬 浦川鉱山の含ニッケルスメクタイトと苦灰石からなる集合を一面研磨しました.古くから,ニッケル鉱物を産することで著名な産地ですが,ニッケルの元がどこから来たのかはっきりさせようと,一度磨ったら何かわかるかもと思って一面研磨しました.
(研磨)炭酸塩と粘土鉱物からなっているので,柔いだろうと予想して磨り始めました.苦灰石が少ないところを取って研磨しましたが,細かい脈がたくさん走っているので,そこだけ浮き出てしまう.緑色の粘土鉱物のようなところはやはり柔らかく,ここだけ凹んでしまいました.苦灰石の集合しているところを先に部分研磨して,高さを合わせようと試みましたが,うまくいきませんでした.この集合では一番硬い苦灰石だけでも光沢を出そうと,青砥で仕上げをしました.
(以下,顕微鏡下での観察です.)
緑色部が含ニッケルスメクタイトです.黄色っぽい脈は苦灰石.
母岩の全体にぽつぽつと入っている黒色の染み,これがニッケルの起源かと思っていましたが,拡大してもはっきりしませんでした.
こちらの金属光沢の小塊状部の中央に金属光沢を呈する粒が,多少観察できたので,拡大しました.
小さすぎて,はっきりわかりませんでした.肉眼で八面体に近い立体の粒に見えるのですが,カメラを通すとこんな感じにしか映りませんでした.八面体に見える鉱物はゲルスドルフ鉱か? これが源鉱物なら緑色の鉱物の起源はニッケル華などの二次鉱物になるのですが,もうひとつはっきりしませんでした.
青色味の強い部分の拡大です.細かい黒色の粒が集合している部分が,濃色になっていました.
結局,源鉱物ははっきりしませんでした.