研磨石
いくつかの研磨した石256
京都府亀岡市稗田野町行者山の黄錫鉱を含む石英脈を一面研磨しました.近畿地方の各地の石を磨ってきましたが,灯台下暗しでここの石が未だに研磨していませんでした.上の石は1993年頃にハイキングで登った時に山頂直下で拾ったと思われる石英です.旧ラベルに日付だけあってほかのことは全く記憶にありませんでした.拳サイズの石英を持って帰っていたようで,割ると,内部から黄錫鉱が出てきました.破片を一部だけ研磨しました.
(研磨) 石英主体で硫化鉱物がちらほら入ったような外観の石で,硫化のところだけ凹んでしまわないか,注意しながら研磨しました.旧ラベルに「褐鉄鉱」と鉱物名を書いていましたが,今みると加水錫石でした.当時はやり始めたころで鑑定眼がありませんでした.石英は粒が大きいので,塊状のチャートよりかは幾分磨り易く感じられた.硫化の集合の部分だけやはり早く磨り凹んでしまいました.先に石英の部分をさらに粗削りして高さをだいたい合わしましたが,顕微鏡を覗くと多少の凹みが残っていました.
仕上げは青砥と黄色の砥石を交互に使い分けて,光沢を出しました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
黄錫鉱などの硫化の多い部分の拡大です.
石英の多い部分.
閃亜鉛鉱の粒のある部分.鉄黒色部が閃亜鉛鉱.
にわかに緑色を帯びた黄色の部分が黄錫鉱.青色っぽいのは錆び.赤褐色は不明鉱物.左上の黄色は加水錫石になりかけの部分と思われる.
黄錫鉱に黄銅鉱を伴っている部分の拡大.黄銅色金属光沢が黄銅鉱.そのほかの,にわかに緑色味の帯びた黄色金属光沢部が黄錫鉱.青色っぽいのは錆び色です.
黄銅鉱の集合にレンズ状に見える黄錫鉱の拡大です.黒色の閃亜鉛鉱を黄錫鉱内に含んでいるようで,黒色金属光沢の劈開で,反射して光ったように映っています.
最後の2枚は黄錫鉱主体で,わずかに鉄黒色の閃亜鉛鉱を伴った部分の拡大です.少量の黄銅鉱があるらしく黄銅色の輪郭のはっきりしない部分を伴っています.