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鉱物の顕微鏡写真121 ―重土輝葉石―

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顕微鏡写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉱物の顕微鏡写真121

―重土輝葉石―

標本の正面.

 

標本の背面.

標本の裏面.

 

産地:Gorden Butte pegmatite, Gorden Butte, Crazy mountains,

        Meagher county, Mantana, USA.(非売品).

 

 

Barytolamprophyllite  重土輝葉石(重土ランプロフィル石)

[組成]  (Ba,Na)2(Na,Ti,Fe3+)4Ti2[(OH,F)|O|(Si2O7)2]

[結晶]  単斜晶系.自形は長板状・板状・針状など.繊維状や放射状集合など

      になる.

[色]    白色・淡黄色・灰黄色・黄色・黄褐色・淡褐色・茶褐色・赤褐色・緑褐

      色・暗褐色など.

[モース硬度] 2~3

[比重]  3.62~3.64

[劈開]  {100}に完全.{011}に良好.{010}に乏しい.

[条痕]  淡褐色.

[原産地] Kukisvumchorr mountain, Khibiny massiv, Murmansk oblast, Russia.

 

 

 

久々の顕微鏡写真シリーズです.重土輝葉石にしました.

 国産の吉村石をいくつかの産地のものを持っていて,海外産の標本を探していたところ,皆無で吉村石の組成に似たこの鉱物の標本があって購入しました.

 産地が米国なのでWeb上で検索かければ何かヒットするだろうと思っていましたが,僅少でした.

 Mindatに掲載されていた産地をグーグルアースで確認したところ,Gorden Butteは森林の疎らな草原の中の独立した台地状の山で,東の方に見える風車の建っている辺りが現場のようでした.台地状の山は北側はなだらかな横一直線の山稜が南に向かって伸びていて,風車の手前で一度切れ込んで,風車の東で切れ落ちたような山容になっていた.風化に強い硬い岩体があるように思えた.

 現場は前出の文献によると微霞石閃長岩などのカリを多く含むアルカリ岩類を切る霞石閃長岩質ペグマタイトだそうだ.

 標本を見ると暗灰色の霞石とややピンク色を帯びた長石類に緑色のエジリン輝石からなっていました.赤紫色のユーディアル石類や黄色板状のリンカイトなどを伴う,黄褐色―暗褐色の板状をなしていました.

 

黄色板状が重土輝葉石.暗緑色繊維状はエジリン輝石.

 

茶褐色―黄褐色長板ないし針状に見えるのが重土輝葉石.周りの暗緑色繊維状はエジリン輝石.上の黄色の塊状鉱物はウォーレル石系の鉱物を思われるがはっきりしない.淡い赤色はユーディアル石系の鉱物.

 

茶褐色板状の部分が重土輝葉石.暗緑色繊維状はエジリン輝石.周りの白っぽい部分は長石類や霞石など.

 

母岩の一部に入っていたユーディアル石.比較的大きな粒で入っていて肉眼でも判別できた.

 

こちらは母岩を構成するエジリン輝石が繊維状集合をした部分の拡大です.

 

 


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