研磨石
いくつかの研磨した石240
研磨面.
未研磨面.
大阪府茨木市車作 竜仙峡の泥質ホルンフェルスを一面研磨しました.現場は前回の滝めぐりの際に,竜仙の滝の下流でサンプリングした岩石です.後で地質図を見たところ,石灰質の砂岩と頁岩との境界付近のようでした.近くに茨木複合火成岩体が貫入していて若干熱変成を受けているようでした.河原に花崗岩質岩の転石が少し見られましたので,谷のどこかに岩脈があるのかもしれません.
(研磨)見た目的に均質そうな岩石でしたので,一気に磨り上げました.幅1mm前後の細い脈が走っていて,肥大部がレンズ状になっていました.この付近が最も硬くて,当初は紅柱石のような鉱物が入っているのかも,と期待しましたが,ほかの変成鉱物でした.仕上げは青砥でしました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
見た目均質そうですが,細かい岩片が含まれていました.白っぽい角礫状の部分は斜長石のようです.かなりたくさん含まれています.
こちらは黄鉄鉱です.割れ目を充填しているのかはっきりしませんでした.
幅1mm前後の脈の肥大部です.石灰質のレンズのようで,緑簾石が含まれていました.
こちらも同じく脈の肥大部です.割とカラフルな色の緑簾石が含まれていました.
左の角礫状の部分です.磁力の有無から磁硫鉄鉱のようでした.黄色っぽいのは内部に内包されているようで,はっきりとしませんが,黄鉄鉱か黄銅鉱のようです.
当地の当方の尾根を越えた変電所の裏に,岩戸坂鉱山と横峯鉱山があって,いずれもスカルン中の銅鉱床で,現場はその西方にあたります.ほかに変質鉱物として緑泥石があったので,多少の鉱化作用はあったのだろうと推測しました.