顕微鏡写真
鉱物の顕微鏡写真115
―エドオイラー石―
産地:Clear Creek claim, Goat Mountain, New Idria mining district,
San Benito county, California, USA.(非売品)
Edoylerite エドオイラー石
(文献によってエドウェレライト,イドイラー石,エドイレライトとも称する)
[組成] Hg3[S2|CrO4]
[結晶] 単斜晶系.自形は単斜柱状ないし板状,針状,粒状など.
繊維状や放射状集合になる.脆い.
[色] 黄色・黄白色・黄橙色・黄褐色・帯緑黄色.
[モース硬度] ― (未測定なのか,どの文献見ても記載なし)
[比重] 7.11
[劈開] {010},{101}明瞭.
[条痕] 黄色.
[名称] アメリカカリフォルニア州の水銀専門のコレクターである
Ed Oyler(Edwald Henry Oyler 1915-2014)に因む.
[原産地] Clear Creek claim, Goat Mountain, New Idria mining district,
San Benito county, California, USA.
次は以前に訳が分からずに購入した標本の中より,エドオイラー石にしました.
数年前の京都か,もっと前の大阪で購入したのかは定かではありませんが,28㎜×28㎜×14㎜の小さなルースに,真っ赤な辰砂の入った破片が入っていました.裏面にラベルが貼ってあって,筆記体で「Edoylerite, Edgarbaileyite Clear Creek, Cf」とありました.2つも知らない鉱物が入っているなら,と少々価格は高めでしたが,購入しました.前者は水銀のクロム酸塩鉱物というべき鉱物で,後者は水銀のソロ珪酸塩鉱物でした.
失えないようにパックに入れ,地図で調べた地名を表面に書いておいておきました.最近それが出てきました.所有鉱物標本種のデータを書き込んでいるノートより,聴きなれない鉱物名が2つあって,探していたところ,このパックを見つけました.やはり購入したことを忘れていました.
ルースがかなり汚くなっていたので,新しいものに入れ替えて,ラベルを付けました.
一応,どの部分なのかを顕微鏡で観察したところ,小さなレンズ状の辰砂の中央部に,わずかな空隙があり,光沢の強い黄色の針状結晶が入っていました.
もうひとつのEdgarbeileyiteは辰砂の近くにある空隙に,爪状結晶が表面についた繊維状で温泉地に出るアラレ石のような外観の鉱物でした.
今回,標本にするにあたって,顕微鏡下で撮影した画像を掲載します.かなり小さい鉱物なので,あまり鮮明に映ってくれませんでした.
黄色い部分がエドオイラー石です.肉眼的には,細かい針状をしているのですが,カメラとの相性が悪いのか,鮮明に写ってくれませんでした.赤い部分は辰砂,白色の粒状に見えるのは自然水銀です.
もっと拡大したのですが,強い光沢などは再現できませんでした.
こちらはモントロイ石(Montroydite HgO)とのこと.同じ水銀の鉱物.
あまりにもよくわからない鉱物が多くあるので,知り合いに写真を撮って送ったところ,上の鉱物のほかに,エスコラ石(Eskolaite Cr2O3)?が入っているとのことでした.
その写真を掲載します.
写真の撮ったときは,磁鉄鉱か何かかと思っていました.母岩の白色の半透明
部は石英です.肉眼的にもっと光沢が強いのですが,光源の角度を変えたり,強弱を変えたりして調整しましたが,小さいため表現できませんでした.