顕微鏡写真
鉱物の顕微鏡写真114
―クォドリダヴィン―
産地:Caspar quarry, Bellerberg volcano, Ettringen,Vordereifel, Mayen-Keblenz
district, Rhineland-Palatinate,Germany.(非売品)
Quadridavyne クォドリダヴィン
[組成] (Na,K)6Ca2[Cl4|(AlSiO4)6]
[結晶] 六方晶系.自形は六角板状・六角短柱状・六角長柱状.
[色] 無色・白色・淡黄色.
[モース硬度] 5
[比重] 2.35
[劈開] {0001}に完全.{1120}に明瞭.
[条痕] 白色.
[原産地] Ottaviano, Smma-Vesuvius complex, Naples, Campania, Italy.
イネス石の次はクォドリダヴィンにしました.この標本は購入品で,サムネイルに入っていました.ラベルは簡易なもので,嬲り書きのような字でquadridavyneと筆記体で書かれていました.聞きなれない鉱物名なのでサンプル購入しました.
準長石のグループで,原産地と上の写真の産地のものしか標本の写真は見当たりませんでした.資料によるとEttringenの町の南東にあるBellerbergという火山の東にある大きな採石場より,新生代第四紀後期更新世に噴出したゼノリス(捕獲岩)を多く含む玄武岩質岩中に種々の鉱物を産するそうだ.
上の標本は全体的に黄色味がかっていてこれ自体が捕獲岩のようです.表面の黒い粒は赤鉄鉱で,ほかにいろいろ白色の鉱物が入っているそうですが,結晶も鈍い輪郭なのではっきり判別できませんでした.似た鉱物にダヴィン(デイヴィン)があって,よく似ていてこの標本にも入っていそうですが,もともとついていたラベル通りにしました.以下,拡大写真です.
柱面に並行な条線があるように見えた.
裏面に少し大きな結晶がありました.と言っても結晶の端から端まで0.8㎜くらいです.