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黄金沢鉱山の車骨鉱

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石の話

 

 

 

 

 

 

 

黄金沢鉱山の車骨鉱

 

 数年前に,山梨県甲州市黄金沢鉱山の黄銅鉱―硫砒鉄鉱―方鉛鉱―石英脈を手土産で石友から頂戴した.2~3の石を60㎜×45㎜×20㎜の箱に合うように成形して,方鉛鉱のついた石だけを残していました.それが最近整理したところ出てきました.当地から車骨鉱を産していることは,人伝で情報を入手していました.

 車骨鉱は脈性の場合はたいてい,炭酸塩を伴っていることが多く,ほかの硫化物とは少し離れたうえ,ほかの硫化物をあまり伴わない傾向にあるようで,炭酸塩や石英ばかりの晶洞に大きな結晶が一つだけ入っているという印象でした.

 頂戴した石のうち方鉛鉱のついた石は石英脈中の裂罅を充填したような感じで入っていて,石英との盤際に多少異なる鉱物がついているのに気づきました.

 方鉛鉱の入っている部位からやや粒の粗い石英脈を挟んで数ミリメートルのところが目の細かい石英に代わっていて,その目の細かい石英中に花崗岩中の晶洞のようにレンズ状で,目が粗くなった部分があって,そこに黄白色の炭酸塩鉱物がついていました.

 車骨鉱が入っているとしたら,こういうところという印象でしたので,ここに鏨をあててレンズ状の部分を割ってみました.

 鋼灰色金属光沢の鉱物が入っていて,柱面に並行な条線もあり,一部がかなり小さいですが,繰り返し双晶していました.

 

 

車骨鉱(非売品).

 

 柱状の結晶以外のところにも,割れていますが車骨鉱と思わしき断口が見え,レンズ状になっているようには見えたものの,内部では脈状になっているようでした.車骨鉱の入っている部分の共存鉱物はこの標本で,黄白色の炭酸塩に少量の石英を伴っているだけでした.少し離れたところに黄銅鉱と硫砒鉄鉱がついていました.

 行ったことのある方は探してみてください.

 (因みに当方は行ったことがありません).

 

 

 


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