いくつかの研磨した石229
滋賀県東近江市政所町足原谷の灰鉄輝石を一面研磨しました.このサンプルは以前の滝巡りで訪問した「足原谷の滝」で,段瀑になった2段目に引っかかっていた石です.深いオリーブグリーンで光沢が強く,2~3のサンプルを採取しました.その一つを一面研磨しました.母岩は泥質のホルンフェルスで細かい黄鉄鉱が鉱染していました.
(研磨) 母岩がホルンフェルスなので堅固なのを前提に磨り始めました.磨っているうちに写真の上の方が一部,欠けてしまい,高さを合わせようと思いましたが,厚みがそんなに無かったので,無視して研磨しました.仕上げは青砥で充分光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡下での観察です.)
顕微鏡下で見ると,灰鉄輝石と母岩のホルンフェルスとの間に,透閃石のような鉱物が入っていました(白色部).
褐色部はベスブ石と思って磨っていたのですが,改めて鏡下で見るとただの染みでした.
母岩のホルンフェルスとの境界付近の拡大です.濃緑色の細かい針状の緑閃石を伴っていました.
灰鉄輝石の粒状部が拡大です.
中央からやや下の方にかけて褐色の粒がみられました.ベスブ石と思われますが,粒が小さすぎて判別できませんでした.
磁硫鉄鉱です.暗緑色塊状の緑泥石を伴っていました.
閃亜鉛鉱.光沢から灰重石かと思っていましたが,割れ口の光沢と劈開の有無,蛍光性が無いことから閃亜鉛鉱でした.