対馬 成相鉱山の鋭錐石
以前に古本屋で「長崎県鉱物誌」を入手した.つい最近までは埃が被っていましたが,内容が濃いので,これから重宝しそうに思います.随分前に入手した対馬の成相鉱山の鋭錐石がようやくどの部分か判りました.見た目ルチルだった部分が全て鋭錐石でした.白色粘土状の母岩中に灰色―帯緑灰色鱗片状の緑泥石を伴っていて,朱色がかった赤色の小さな自形をしてたくさんついていました.一部に数は少ないですが,黄色っぽいチタン石もついていました.
今回,掃除を兼ねて顕微鏡下で撮影しました.以下,顕微鏡で撮影した写真です.
赤っぽいところが鋭錐石.灰色―灰緑色鱗片状が緑泥石.白い部分は粘土化した母岩.
黄色―黄白色針状のミメット鉱が付いていました.(写真中央).まわりの赤いところは鋭錐石.灰色―灰緑色鱗片状は緑泥石.白色は粘土化した母岩.
産地:長崎県対馬市厳原町西里白河 成相鉱山(非売品)
前出の長崎県鉱物誌の「鋭錐石」の項に成相鉱山の沿革が少し載っていました.大正年間に採掘されたとの記載でしたが,別の文献で明治27年頃に採鉱したような記述もありました.下から2番目の写真が同誌に掲載のある写真に似せて撮影しましたが,どうでしょうか.