鉱物の顕微鏡写真91
―コニカルコ石―
産地:山口県美祢市美東町絵堂 喜多平鉱山(非売品)
Conichalcite コニカルコ石(粉銅鉱)
[組成] CaCu[OH|AsO4]
[結晶] 直方晶系.自形は短柱状ないし板状.放射状やブドウ状・球状・毬栗状・皮膜状などの集合になる.
[色]:淡緑色・黄緑色・オリーブグリーン・エメラルド緑・灰緑色・濃緑色.
[光沢] ガラス光沢~油脂光沢.
[モース硬度]:4.5
[比重]:4.29~4.33
[劈開]:無し.
[条痕]:淡緑ないし緑色.
酸に可溶.
[原産地] Don Bonete mine, Hinojosa del Duque, Córdoba, Andalusia, Spain.
Ojuela鉱山のコニカルコ石を撮影しようと思っていましたが,つい最近に20年くらい前にサンプリングした喜多平鉱山の石が出てきました.露天掘の近くで見つけた石ですが,掃除していると褐色~暗褐色の褐鉄鉱の空隙中に,目の醒めるような緑色が出てきて,顕微鏡を覗きました.
肉眼的にもかなり美しいので,写真として撮ったところこれが気に入りましたので,今回は国産ものにしました.
銅の砒酸塩鉱物の一つで,皮膜状で褐鉄鉱の空隙に見られる鉱物です.銅鉱床の酸化帯から産出します.どういうわけか山口県に産地が多いらしく,この標本も同県のものです.
(以下,顕微鏡写真です)
同じ石の別の空隙に発達する集合です.
同じ石の別の空隙に発達する集合です.
こちらも同じ石の別の空隙に発達した集合の写真です.
こちらも同じ石の別の空隙を撮影したものです.母岩はブドウ状になった褐鉄鉱で,毬栗状の集合体がコニカルコ石です.
毬栗状の集合の拡大写真です.
こちらも同じ石の別の空隙にあったコニカルコ石の拡大写真です.毬栗状の集合を映したものですが,短柱状の結晶が観察できました.ただしかなり小さいです.
断面の出ている部分がありました.板状の結晶が重なるようにして放射状の集合になっていました.