鉱物の顕微鏡写真90
―ペツォッタ石―
産地:Ambatovita,Mandrosonoro,Ambatofinandrahama,Amoron'i Mania,
Madagascar.(非売品で購入品)
Pezzottaite ペツォッタ石
組成:Cs(Be2Li)Al2[Si6O18]
結晶:三方晶系.短柱状.
色:赤橙色・灰桃色・帯紫紅色・淡紅色.ガラス光沢.
モース硬度:8
比重:2.97~3.06
劈開:無し.
条痕:白色.
本邦未産.
次は,ペツォッタ石にしました.一時期に少量で回っただけで,その後はぷっつりと見なくなりました.リチウムを含むペグマタイトに産するようで,鉄電気石と見間違いそうな黒色のリディコート電気石を伴っています.色と関連させるような元素は含まれていませんので,純粋なものは無色だろうと思います.セシウム(Cs)とリチウム(Li)が主成分の鉱物で,本邦のリチウムペグマタイトでも顕微鏡的か,累帯構造をして含まれているかもしれませんが,今のところ本邦未産です.
母岩はアマゾナイト(天河石)でコントラストが美しい標本です.
表面に乗っている鉱物はにわかに緑色味がかった黒色の雲母類と,鉄電気石と酷似しているリディコート電気石を伴っていました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
白い板柱状の結晶はペタル石だろうか.赤い部分がペツォッタ石です.
ペツォッタ石以外の部分の拡大です.青色部は母岩のアマゾナイト(天河石)です.見た目で黒色に見える鉱物は強い光源下で撮影すると,濃い緑色でした.灰緑色の雲母類(緑泥石類かもしれない)のほかに,ストークス石のような光沢と透明度の高い菱型の結晶がいくつかついていました.