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原谷から衣笠山へ1

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 今週のはじめ、最後の積雪かと思われるような日があった。花粉が飛んでいない日はというと、こういうときしかなかった。ちょうど京都市内に行く用事があり、便乗して北大路千本まで送ってもらった。

 時折降雪まじりの日だったが、雨よりましということで未踏の船岡山に向かった。北大路はかつて車でよく通ったが、山に行く用事がなくいままで行ったことがなかった。

 御室の双ヶ丘でも最近の訪問で都会のど真ん中に自然が残されている数少ない場所だった。ここもそうかもしれないという思い込みもあったが、公園になっていた。見た目的に古代の城跡があるという感じがしてた。公園から山頂に立ったが、城郭を示すようなものは特になく、南面に立派なチャートの露頭があったくらいだった。



船岡山山頂(111m) 白い点々は撮影時降り出した牡丹雪。




南面のチャート露頭。一部に層状の部分があり薄い泥質岩を挟んでいる。街の真ん中にこういう露頭があるのはここくらいだ。


 建勲神社の南側を少し歩いていると北側に磐座があるようで、赤い柵に囲まれていた。参道から見ているとお宮の裏の尾根が郭のようになっていて小規模な堀切もみられた。少しは残っているようだ。

 どこに出るのかわからなかったので、来た道を戻った。


 山を下りて、北大路を西進した。金閣の前で観光客に混じり、氷室道をとる。原谷への道に入ると観光客の姿は消え、ほとんど歩く人もない峠道を進んだ。峠に差し掛かると本降りのような勢いで雪が強くなってきた。

 いつも身に着けているコートはフードがついていたため頭部が濡れることはなかったが、いつも持ち歩いている黒い手提げかばんは雪がこびりついて真っ白になっていた。


 金閣方面から原谷へ至る峠は「失業対策峠」というらしい。もちろん地形図には掲載がない。金閣から原谷へは初めて「金閣寺鉱山」に訪山した際に通った。このときは夏だった。小さな堰堤の上でパイロクロアイトと炭マンからなる鉱石が腐ったものがよく見られた。沢の水に浸かった高品位鉱石には被膜状の緑マンガン鉱が入っていた。後日ほとんどの緑マンガン鉱は黒くなってしまったが、一つだけアクリルに封入したものがあって未だに割った当時の色を保っている。また未確認の情報で峠の南尾根付近で昔、細かい水晶が出たそうだ。現場は確認していないが、結構たくさんあったとのことた。


 峠を下りてコンビニのある交差点まで来たときには更に、強くなってきて前が見えないほどになった。原谷からはもう一つ峠を越えて仁和寺方面に行く予定だったので、時間がもったいないから無理やり進んだ。

 峠に差し掛かったころには小降りなってきて、成就山山頂(236m)に着いた頃には止んでいた。



真っ白になった原谷の峠。



ここもうっすら積雪している。成就山山頂。



山頂から竜安寺方面を展望。


 チャートの露岩が多く滑りやすい山道を下り峠に戻ってきた。ようやく薄日が差してきて、明るくなってきた。もう降らないだろうと判断し、手書きの案内プレートのある東の尾根に取りついた。

 どうも衣笠山方面に峰伝いに抜けられそうなので、案内板に従ってこの道を進んだ。


原谷から衣笠山へ2 に続く。

 


 

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