いくつかの研磨した石169
京都府南丹市美山町島(字)名所 島鉱山のかつぎ盤中の黄鉄鉱および菱マンガン鉱を一面研磨しました.標本は昨年の新春交流会でサンプル購入しました.その裏面がバランスが悪かった.
かつぎ盤というのはマンガン鉱層の上に伴われる泥質岩のことで,レンズ状の菱マンガン鉱が入ってきたり,黄鉄鉱が入っていたりした(かつぎ盤は通称で地域によってことなる).丹波帯のマンガン鉱床からはよく見る岩石です.
標本の正面にある黄鉄鉱の結晶です.双眼顕微鏡で拡大しています.大きい結晶で一辺が約2㎜.
ラベル.(標本は非売品です)
標本の現場は府道に沿う民家の建屋の横に直接坑口が開いているという,外から眺めるだけといった感じの場所でした.そのため鉱石は全く無いようで,「ここに坑口が開いている」だけの現場でした.
上の標本はその現場のものということで,購入したものです.
(研磨)かなり形が歪でしたが,少し試しに磨ったところ思った以上にこの泥質岩は軟らかく一気に磨り上げました.一部に凹部ができてしまったのは,岩の割れ目に気づかず,磨っているときに割れてしまったためで,深磨りせずに残しました.仕上げは青砥でしました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
黄鉄鉱の部分.赤い部分は赤鉄鉱によると思われる染み.
こちらも黄鉄鉱.
黄鉄鉱の三角形の破面の見えるもの.淡紅白色部は菱マンガン鉱.
菱マンガン鉱のレンズ状および脈で切る部分の拡大です.標本の左端にすこし肉眼で判別できる菱マンガン鉱がありました.