付加体のヤマへ
三国塚を辞したあと,信楽町多羅尾を経て和束川方面に抜けました.犬打峠を越えて,2つほどの滝を巡ったあと,思い出したかのように近くのマンガン山に寄って見ました.当山は数か月前の会館の館報に記載のあったマンガン山で,以前より神社の周りでうろついていた現場でした.鉱山名は宮前鉱山といい,あの附近には大きな神社は御栗栖神社しかないので,北側の山や尾根に絞り込んで探していましたが,砥石を掘ったような跡などはありましたが,マンガン山は見つけられませんでした.
今回ようやく近くを通ったので,寄って見ることになりました.神社の横をすり抜けるように付いた林道を登って行った.はじめは稲田だったのが,奥の三叉路まで行くと,周囲は茶畑になった.三叉路が少し広いのでここに駐車し,文献通りの岩を探すため,左手の林道に入って行きました.林道入ってすぐに目標の岩があり,回り込むようにして背丈の低い尾根に取付きました.尾根と云っても尾根の突端で,数メートル登ったところに陥没坑がありました.
目標の岩.尾根という高さもない.
岩の南側の林道脇を入るとすぐに坑口でした.
尾根の西側の陥没坑.
陥没坑は尾根の南と北に一つずつ開いていた.
陥没坑より数メートル先が尾根筋に開いた陥没坑で,こちらのほうが幾分大きい.
尾根から僅かに東側にある陥没坑の南方の坑口.
北側の坑口.
細かいマンガンの破片が散らばる地点.
前出の文献には炭マンを拾ったという記載がありましたが,ほとんど無いようで,足元のやや悪い尾根筋を行ったり来たりしながら探していると,1つだけ石英脈を噛んだ石があり,これに炭マンが挟まっていました.これをサンプリングしました.ほかは表面が黒くても内部は頁岩やホルンフェルスのことが多く,マンガンはありませんでした.
一つだけ拾った炭マン.白色の石英で切られています.黄褐色に見える部分が菱マンガン鉱です.
このあと,西の空が暗くなってきたので雨に降られる前に退散しました.